ロジカルノーツ

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英語ライティングテストの形式(2)Integrated Task

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「統合型問題」とは?

 

前回は「独立型問題」について説明させていただきました。今回は「統合型問題」について述べさせていただきたいと思います。

 

「統合型問題」(Integrated Task)は、独立型問題とは対照的に、「他の3技能が統合されている」という意味を表します。実質的にはリーディングかリスニング、あるいはその両者を通して情報を得て、その内容を英語で要約する、またはその内容について自分の意見を英語で書くというタスクが課されるということになります。

 

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「統合型問題」のイメージを一つ見て見ましょう。


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⚪︎⚪︎⚪︎の専門家である⚫︎⚫︎⚫︎氏による英語の講義を聞き、(1)その内容を英語で要約し、(2)その内容に関連する課題についてあなたの意見を英語で書きなさい。以下、(1)と(2)それぞれについて具体的な指示があります。

(1) これから、資料を参考に、英語による講義を聞き、その内容を200語程度の英語で要約しなさい。なお、要約には2つ以上の例を含めること。放送は2回流れます。

(2) 講義の内容に関する次の課題について、あなたの意見を250語程度の英語で書きなさい。

Focusing on one or more points mentioned in the lecture, write your opinion with reasons and examples from your own experience.
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講義で述べられている一つもしくは複数の点に焦点を当てて、自分の経験から理由や例を用いて自分の意見を書きなさい。

 

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このイメージ例は東京外国語大学の2次試験で出題されているライティング問題をベースにしています。簡単に流れをまとめると以下のようになります。

 

  • 与えられた資料を元に、講義を聞く(Listening)
  • 聞き取った講義内容を英語で要約する(Writing)
  • 聞き取った講義内容について英語で自分の意見を述べる(Writing)

 

やはり求められるワード数は試験によって様々ですが、「独立型問題」に比べると少ないケースが多いと言えます。上記のイメージ例では(1)の問いのように「統合型問題」の性質から「要約」を求める問題が多いため、「ワード数が多ければその分だけ内容が富む」とは限らないからだと考えられます。

 

この「統合型問題」が持つ受験生にとっての難点として挙げられるのが、書く前に英文を読んだり聞いたりできなければならない、ということです。先ほども述べましたように「要約」を求める形式の問題が多いことから、自分の答えを作るための下準備であるリーディングやリスニングに失敗してしまうと答えが全く書けない、という状況に陥りかねません。

 

ライティングだけでない

 

このような複数の技能を総合的に求めるタスクはライティングだけにとどまりません。一部の民間の資格・認定試験ではスピーキングにおいても「統合型問題」が出題されています。また、センター試験のリスニング問題の一部でも、聞く力に加えて英語を読む力がないと正解できない問題が課されています。

 

英語を実際に生活の中で使うことを考えると、「英語を読むだけ」または「英語を聞くだけ」といった状況の方が珍しいでしょう。英語で書かれたカフェのメニューを読んだ後には、店員さんに英語で注文をする状況が想定できます。ビジネスパートナーからのEメールを読んだ後には、当然返信が必要です。このように考えると、4技能をそれぞれに測るだけではなく、相互関連的に測定をする方がよりリアルライフに沿った英語力が試されることは明らかです。

 

「統合型問題」が今後いろいろなテストで課されるようになることは避けられないように思われます。

 

(参考:小論文問題の形式)

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(鈴木順一)

 

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