ロジカルノーツ

logical notes

受験に臨む方々へのメッセージ|4浪目の受験ドキュメンタリー(13)最終回

f:id:logicalnotes:20230424114758j:image

 

元大学受験生です。

 

高校卒業後、2年間の予備校生活を経て、2年間の宅浪生活をし、この間に受験自体を諦めたこともありましたが、今春から大学に通って勉強をしています。

 

振り返ってみれば、この4浪目の生活は、僕にとって大きな試練でした。精神的にもどん底を味わい、生きる気力を失った時期もありました。責任感を持って取り組むと約束したこの「4浪目の受験ドキュメンタリー」を中断してしまったこともあります。本当にいろいろありました。


「4浪目の受験ドキュメンタリー」を始めた頃、このサイトを管理している吉崎先生からは次のように言われました。

 

「公開した記事を読んでくれる人がいる。その人も君みたいに悩んでる人かもしれない。それは今年なのか、来年なのか、ずっと先のことなのかはわからないけれど、そういう人が指針にしたり、支えにしたりする可能性もあるわけだから、途中で投げ出さずに続けてね」


先の見えない受験勉強をしていた僕にとって、「誰かのためになる」という意識を持って取り組むことには特別な意味がありました。受験勉強自体を一時中断してしまった時期もありましたが、最後に「誰かのためになる」意識を持って、受験勉強で心身ともに苦しんだ僕の経験からのメッセージを書かせていただきます。

 

高校1、2年生の方へ

 


高校生活は楽しいですか?


高校1、2年生の時期は、勉強から離れる人も割と多いんじゃないかなと思います。特に高校受験を経た人バーンアウトだったり、中だるみだったり、勉強をしなくなるのは「あるある」だと思います。


僕自身もそうだったので、偉そうに「勉強しろ」とは言えませんし、「後で後悔しないために勉強はしときなさい」みたいな耳タコな話もウザイのでしません。


ただ一つだけ言いたいのは、「当たり前のことをやって当たり前に評価されるのは今だけだ」ということです。


課題を提出する、小テストをこなす、テスト勉強をする。


受験が目的であれば遠回りに見えるものもあるでしょうし、実際遠回りなものもありますが、わかりやすく競える相手用意されていて、実際競う機会が多数ある。フィードバックも得られやすく、モチベーションも維持しやすい。あなた達が普段うざいと思っている教師達でさえ、「勉強を教えて欲しい」と素直に頼れば強い味方になってくれるでしょう。


受験の「結果」以外でも評価してもらえる機会がある環境は、「結果」が全てな浪人生からすると羨ましく見えますよ。

 

高校3年生の方へ

 


高校3年生になれば、いやでも受験を意識させられると思います。


望んでもいないのに親や教師は「受験生」として扱ってくるでしょうし、それがプレッシャーになることもあるかと思います。


そんな高校3年生に言いたいことは二つあります。


一つ目は、「受験を甘く見ている」と言われるような人たちへ向けて。


大丈夫です。その自信のまま本番を迎えましょう。


世間では必要以上に受験生をビビらせるような風潮があったりしますが、全無視上等


受験の怖さがどうたらこうたら、とかいう話もありますが、受験の怖さなんて知らないに越したことありません「挫折を経験したことない」なんて大いに結構挫折や鼻をへし折られる経験なんてほっといても今後いくらでもするでしょうから、わざわざ大学受験で経験する必要はないでしょう。


反省なんて、人から促されてするものじゃなく、自発的にしてこそ身に染みるわけですから、たとえ受験をなめた状態だったとしても、うまくいったのであれば問題なしです。大学受験が自分を鑑みるタイミングではなかった、というだけの話です。


なので、自分に自信を持って準備をして、自信を持って受けてください「失敗した時に初めて反省する」で十分いいと思います


二つ目は、受験を重く捉えすぎて不安を抱えてるような人たちへ向けて。


大丈夫です。そもそも第一志望に受かった人よりも落ちた人の方が多い


それ以上でも以下でもないんですが、倍率3倍というと、定員の2倍の数の受験者は落ちてるわけですから、世の中の大半の大人第一志望に通ってません。そもそも大抵の人間は、色々理屈はこねますが、ノー勉で東大に入れるなら入るでしょうし、努力0で医者、弁護士になれるなら、おそらくなると思うので、受験に関して言えば東大に入れた人以外全員、第一志望に落ちてることになると思います。


それとどんなレベルの大学にも一浪とかマジで普通にいるので、「現役で受からないと終わり」とか思わなくて全然大丈夫です。あなたの周りの人間がどう言ってるのかは知らないですけど、世間のマジョリティ1年2年の休符なんて気にも止めません


それぐらい気楽に受験しましょう。

 

予備校生の方へ

 


少なくとも一度、受験においては失敗を経験したことだと思います。ある程度の危機感を持っていたほうがいいように思うのですが、持っていなくてもいいです。


1番の理想は、「なんとなく受験終わったわ」の状態で自身がある程度満足した大学に行けることだと思います。予備校に通ってるのであれば、まだ学校の延長な感じがあったりして、必要以上に不安感を覚えることもないんじゃないかなと思うので、危機感とかはあればいいくらいです。


その他は概ね高校3年生へ向けた発信とかぶるんですが、浪人生に何か言うことがあるとするなら、「いろんな大人の話を聞いてみよう」です。


将来を考える時間を得られて、志望校を上げることだってできるわけですから、現役時の自身と比べると選択肢が広くなったわけです。この機会に、できれば親、教師とは違った大人の話を聞いてみて欲しいです。特に、どういった経緯で今の仕事をしようと思ったのか、するに至ったのかなど、キャリアに関する話受験しか知らない人間の視野を広げてくれることでしょう。予備校講師には時々珍しいキャリアを持った先生などもいらっしゃるので、いい刺激になると思いますよ。

 

宅浪生の方へ

 


まず、宅浪生へ1番言いたいことは、生活リズムが最優先ということです。


これは、宅浪生は生活リズムを崩してはいけない、とか、受かるためにはリズムが大切、という話ではなく、病まないためのただの予防策です。


とは単なる脳の状態です。誰にでも起こり得ます


例えば、甘いものが好きな人間なぜ甘いものが好きなのかというと、甘いものを食べた時脳内で快楽物質が出るからです。もし甘いものを食べた時にストレスを感じるホルモンが分泌されるなら、その人は甘いものが苦痛で仕方がないでしょう。脳内物質が出るのを強制的に止めれば、もし目の前で最愛の人が亡くなっても無感情のままでいられるでしょう。それらと同様に、とは脳内物質が作り出す、脳の状態の一つなのです。


そして、孤独鬱という状態つくりやすくします。


宅浪生は予備校に通う浪人生と異なり、周りに同じような人間がいないため孤独を感じやすい環境にあります。


風邪感染症でも、衛生面であったり免疫力によって病気にかかりやすい場面かかりにくい場面があると思います。もし風邪が流行っているなら、かからないために手洗いうがいをしたり、マスクをするなど予防をするでしょう。


それと同様に、孤独を感じやすい環境下では、より入念に鬱の予防に気をつけて欲しいです。


次に、数多くの情報に踊らされず、信頼する情報自分で選びましょう。ただし、ネットから情報を集めるなら注意が必要です。たしかに、一部分だけであれば正しいこともあるのかもしれません。が、情報収集として使う場合には気をつけてください。


映画の予告映像を見たことがありますか?


僕は映画の予告映像が大好きで、youtubeでは、観る気もない映画予告だけをひたすら見たりしてます。ゲームでいうとトレーラーティザーとか言われたりしますね。予告編ってすごく面白くて、本編に無いシーンを使ったりはほとんどしないんですけど、詐欺に近いくらい内容がかけ離れてることもわりとあるんですよね。決して嘘はついていないんですけど、ホラー映画の予告コミカル映画っぽくもできてしまう。


ネットの情報も全く一緒で、脚色誇張脈絡無視の切り取り、一部分だけ見れば嘘では無いですけど、それだけで正しい情報が得られるかというとそんなことはない。おまけにオチは明かさないところまでそっくりです。


そのため、ネットから情報を集める時には、どういう人が、どういった人へ向けた、どこを目指しての情報なのか精査してください。情報を受け取る人物置かれている環境や前提によって話は大きく変わるので、発信された情報前後汲み取ることが大切です。


また、ネットの情報以上に大切にして欲しいのが、自身によるフィードバックです。


本当にその勉強法はあっているのか。


どれぐらい身についた実感があるのか。


志望校に受かるのに適しているか。


宅浪という性質上周りに頼る人がいないため、自分の経験から得られる一次情報は大切にして欲しいです。


そして、重要なのが、精査した上で信頼すると決めた情報源コロコロと変えないことです。よっぽど肌に合わないなら構いませんが、そうでないなら続けたほうがメリットは大きいです。


というのも、勉強法参考書などたくさん存在していて、どれが正解なのか迷うこともあると思いますが、正直勉強しさえすれば大抵の場合成績は上がります勉強法が合う合わないや、使う教材によって近道になったり遠回りになったりしますが、大まかなレベル感さえ外さなければ、だいたいやった勉強量比例します。それよりも1番怖いのが、勉強法をコロコロと変えて何も身に付かない場合があることです。たとえ特異な勉強法であっても、あなたの成績が上がっているならそれが正解です。受験生は同じ試験を受けますが、同じ勉強法で勉強しないといけないわけでは決して無いので、1番自信の持てる勉強法を選んでください


もし、今までの話を聞いて、自分で情報を精査できる自信がないのであれば、素直に予備校を頼るのもありだと思います。


宅浪といえども、生活リズム情報に踊らされなければ基本大丈夫です。あなたの受験をするのは、世間の受験生ではなくあなたなので、気負わず、周りに振り回されることなく、自分のペースで合格へ近づいていってください。

 

保護者の方へ

 


正直受験をしてる本人よりしんどい立場だと思います。


自身のことであれば打てる手もあるでしょうが、当事者でないにも関わらず、当事者以上に真剣なために、気苦労が絶えないことと思います。

 

正直子育てに関しては全くわからないので、子供の視点からの提案にはなるんですが、もし子供のために何かしてあげたいと思うのであれば、親自身が価値観を広げることをしてあげてほしいです。


親の価値観が、良い大学に入って、大きい企業に入ることこそが至高、というものであれば、その親に育てられた子供の価値観ひどく狭いものになってしまうでしょう。専業主婦主夫であればサラリーマンの第一線の世界を、サラリーマンであれば自営業やフリーランスの世界を、その他にも自分が選ばなかった世界について知ろうとして欲しいです。


もしかすると、子供に歩んで欲しい人生というものをもっているかもしれませんが、時代は変わりますし、その子供にとっては、どの道へも等しく進む可能性があります。どんな道を子供が選んだとしてもビビらないために、憶測ではなく正しい情報渡せるように、自分の知らない世界についてのことを、子供に対して何かしてあげたいと思うのならしてあげてください。


(Iくん)

 

受験結果と総括|4浪目の受験ドキュメンタリー(12)

f:id:logicalnotes:20230331130612j:image

 

大学受験生です。


4浪目の僕の受験が終わりました。4月からは、「学費免除の特待」をいただけた某私立大学進学します。


合格した大学の中には、いわゆる偏差値カテゴリより上位のところもありました。


それはそれでありがたいことではあるのですが、そういった偏差値的価値観に人生を左右されるのではなく、「どのような大学生活になるのか」を具体的にイメージして進学先を決めました。そして、設備カリキュラムを比較し、また、現時点の僕を最も評価してくれた大学に身を置くのが最善だと判断しました。


いろいろありましたが、4浪目にしてようやく受験から卒業することになりました。


「結果に満足か?」と言われるとそうではありませんが、周りの人の助けも借りながら自分なりに将来を見据えての選択ができたと思っています。


そこで、僕がここに至るまでの振り返りをしたいと思います。

 

中学時代

 


中学時代、そこそこ勉強ができました。とはいっても、地方地元の公立中学なので全体で考えるとそこまでなのですが、14歳の男の子が勉強に関して自信を持つには十分でした。


授業を聞けば大体わかる、授業を聞かなくても教科書を読めばほぼわかる部活が忙しく休みもほとんどない3年間を過ごしつつも、そのまま市内で1番の高校に進学してしまいました。

 

高校時代

 


高校に進学してからも、最初は苦労せず数学に関しては中学の貯金だけでほぼトップ。しかし、中学の時と同じ意識で普段を過ごすうちに、高校2年生になる頃には学年でほぼビリにまでなってました。


そのあとは学校にも次第に行かなくなり、卒業に必要な出席日数の計算だけしてました。


そんな状況にも関わらず、「受験だけはなんとかなるだろう。だって自分は少なくともバカではないし」と考え、世間の受験生がどれだけ勉強しているかも想像できずに、高校受験の時と同じような心構え現役時の大学受験を迎えます。


結果はもちろん失敗


そして、4年に及ぶ長い浪人生活が始まりました。


受験界隈ではよく聞く、「あるある」の失敗話だと思います。ですが、自身がその当事者だと気づくのに、僕は高校を卒業してから3年かかりました。

 

2年間の予備校生活を経て、宅浪に

 


高校卒業後は、2年間予備校に通いました。高校3年間の反省から真剣に勉強しました。


結果は早くにも出て、浪人して最初の夏の模試では満点をとる教科もありました。志望していたレベルには1年では到達できなかったですが、かなり成績が上がり、「伸び率でみるともう1年すればいけるだろう」予備校の先生にも言っていただけました。僕自身もそう思ったので2浪することに決めました。このロジカルノーツの吉崎先生を紹介してもらったのはこのタイミングです。


この頃には模試でも初めてC判定B判定がでるようになり、次第に危機感が薄れていきました。結果として不合格に終わるのですが、「勉強法も2年間で十分学んだ。内容も一通り頭に入ってる。あとは量をこなすだけ」と思い、僕はもう1年したかったのですが、親から出された選択肢働くか、家を出て行くか、どこかに進学するか3択でした。


そこで、僕は鹿児島にある祖母の家にお世話になることに決め、書店すら車を出さないと行けないような田舎の地宅浪生活を始めました。

 

不慣れな環境で宅浪し、受験断念

 


衣食住は揃っていましたが、家周辺には海と山しかなく話し相手も後期高齢者ばかり、頼れる相手もおらず主な情報源はネットのみ。これは、近畿市街地で生活し続けてきた僕にとって大きな環境の変化を意味します。


鹿児島へ行くことを決めた当時、周りの大人達みんなから「やめとけ」助言を受けました。受験のタイミング生活環境を大きく変えることのリスクを考えてくれたのでしょう。


しかし、その忠告を振り切って、僕は、鹿児島で3浪目の生活、しかも初めての宅浪生活を送ることにしたのです。そして、受験の約2週間前、年が明ける頃には完全にになってました。


その結果、3浪目は受験自体をせず事態を重く見た親実家への帰還を許可し、実家4年目の浪人生活をすることになりました。

 

www.logical-notes.com

 

精神的にきつかった4浪目

 


4年目の前半の詳しい心境は以前記事にしていますが、記事にするほどではないと思って出さなかった部分の話をすると、正直、鬱を経験する前と後では生活が一変しました。


まず、「今まで当たり前にできていたこと」ができなくなりました模試も最後まで受けられずに途中で帰ることもあり、英検に至っては2回目は受験すらせずに逃げました


他人から見れば過剰な心配に思えるようなことも、当人からすれば考えずにはいられないことに感じられ、目の前のことに集中することや、明るい未来を考えることなんて全くできる状態じゃなくなっていました

 

関心や意欲が全く湧かず好きだったはずのことでさえ楽しめなくなり、夜布団に入った時には「このまま起きなければいいな」と思いながら寝る日々を過ごしていました。おそらく、受験を続けていい状態ではなかったと思います。実際、僕は夏に一度受験を諦め、専門学校へ行こうと決めたことがありました。

 

www.logical-notes.com

www.logical-notes.com

 

その時に助けてくださったのが吉崎先生でした。もう受験をやめようと思っていること生きる気力がわいてこないことその他進路や就職についてその時心配に思っていること全て相談しました。


本当にいろいろな話を、延々と聞いてもらいました。そのおかげで、僕は、すごく狭い視野と選択肢の中でもがいていたこと自覚できました。また、先生との会話の中で、社会に対する解像度が少し上がりどう対処していいかわからず不安だった問題を、今まで持っていた視点とは違う角度から解決できるということに気づけ、もう一度受験を続ける気持ちを持つことができました。

 

「やりきること」から見えてきたもの

 


4浪目の受験をすると決めた時点での目標は「受験をやりきる」であり、周りの受験生自分の状況比較して落ち込むこともありましたが、その周りの人達と自分とでは「取り組んでいる競技が違う」自身に言い聞かせて取り組みました。


その結果、全体で79%ではありましたが、無事に共通テスト受けきることができ、その他の試験も無事メンタルを壊すことなく受けきることができました。

 

www.logical-notes.com

 

最終的には、自分の進路やキャリアのことを考えて、特待生をいただいた私立の大学に進学することに決めました。


正直、「これでひと段落ついた」とは思えず、「頑張る場所が変わるだけかな」とは思っています。それでも、4浪目の最初の時期に比べればすごく前向きに自分の将来のことを考えられているので、「この1年間頑張って良かったな」と思えています。


浪人を決めた当初に希望していたものとは違う結果になったので、満を辞しての再出発とはなっていませんが、後悔だらけだったここ数年を生かして、まずは後悔のない大学生活を送るため日々精進して参ります。


(Iくん)

 

いろいろありましたが「共通テスト」を受けました|4浪目の受験ドキュメンタリー(11)

f:id:logicalnotes:20230201133257j:image


大学受験生です。


まずは不義理をしてしまったこと、この場をお借りして謝罪させていただきます。


なぜ「4浪目の受験ドキュメンタリー」が中断してしまったのか。この点について、お話させていただきます。

 

年齢についての不安が最大化

 


結論を言うと、メンタル的に受験どころではなかったからです。


9月下旬あたり、いろいろなことが重なり、僕は、精神的な「どん底」期に陥ってしまいました。受験はおろか、あらゆる意欲がなくなり、なにも考えられない状態に。外出すらできない。


ぱったりと勉強できなくなり、ほとんどの時間を答えのでない悩み事に費やす日々。気持ち的に限界を迎えていた10月頭、吉崎先生とのミーティングをしました。


とりあえず、現時点で言葉にできる不安や悩み吐き出すことに。いろいろな話題がありましたが、やはり一番の不安は、将来のこと


高校を卒業して4年目。同学年の人、進学後に同級生になる人、比べても仕方がないと理解はしていても、どうしても年齢のことが気になります。今後の人生で、社会に居場所ができるのだろうか。ネガティブに考え出すとキリがない、そんな悩みの渦中で苦しんでいました。

 

やはり大学に行きたい

 


「どうしたいか?」という話になったとき、僕は「パソコンの専門学校に通おうと思っています」と言いました。


元々、情報系の勉強に興味があったので、嘘ではありません。でも、やはり現実逃避の面が強く、そういう気持ちで進学するのは専門学校にも失礼だと感じていました。


先生は、そんな僕の思いを見抜いていたのでしょう。


先生「自分の人生における1つのパーツとしてその選択をするのであれば、いいと思うよ。よく決めたねって思う。だけど、いま決めたことの結果を引き受けるのに躊躇があるなら、いま決めるかどうかは考えてもいいんじゃない。専門学校に行くとしても、春からでしょ」


……返す言葉もありません。

 

いろいろ逃げるための言葉を並べてみたところで、やはり僕は大学に通いたい。4浪とはいえ、客観的に見れば、まだまだ若者の部類。過ぎた年月に嘆いて、悔いが残っても仕方ないと言うには、まだ早い。


結果的にどうなろうが、「受験する」ということに決めました。

 

モーニング大作戦!

 


ですが、自分でスケジュールを設定して、ということはできそうにありません宅浪生活を続けてきて、結果的に2年連続で受験勉強から逃げてしまったわけですから、もう過信はできません


そこで、とりあえず、ここ数日の生活状況を先生に伝え、「これからどうしたらいいのか?」を相談することになりました。


(この1週間の過ごし方を細かく表にして見てもらう)


先生「……」


僕「……ほんとに何もしてなくて」


先生「……」


僕「……いや、ほんとうにお恥ずかしい限りで」


先生「……」


僕「……先生??」


先生は反応に困ってしまいました。


なにしろ、しっかりと起きていなくて、食事はほとんど夜の一回だけ外にも出ない起きている時間の大半は、ひたすらに悩み続けている状態。あとはインターネット。もちろん、勉強時間はゼロです。1週間の過ごし方を細かく言葉にしたところで、たいした情報量ではありません


先生「とりあえずさ」


僕「……はい」


先生「なんと言ったらいいのか……」


精神状態もひどく、不安でいっぱいいっぱいで、、という話をしたばかりです。それこそ、ここには書けないくらい、自暴自棄的な発言もしています。だから、言葉を選ぼうとしてくれているのがものすごく伝わりました。


僕「大丈夫です。厳しいこと言われても受け止めます」


先生「とりあえず、起きて、ご飯食べよか」


当面の1週間の過ごし方について、先生は、次の3つのルールを設定しました。

 

  1. 毎日、コメダ珈琲のモーニングを食べる
  2. 15時まで家に帰らない
  3. 1週間、勉強を禁止


11時までに入店しないとモーニングを注文できません。これで「午前中に起きて家を出る」ということは果たせそうです。15時まで家に帰らないというのも、これまで家にいてもただただ悩むだけでしかなかったため、納得です。


でも……勉強禁止!?


僕、やっぱり受験するって言いましたよね??


先生「やっぱさ、だらだら勉強するのも違うかなって。基本的には受験勉強がストレスだったわけじゃん。勉強しようと思ってはいてもストレスで勉強できなくなる、というのは気持ち的にも辛いだろうし、ここは思い切って、1週間、勉強を禁止するわ」


僕「でも、勉強なしで15時までどうやって時間をつぶせば……」


先生「それを考えるのも、大事なことだと思うんだよね。自転車乗ってみるとか、映画に行くとか。そうだ、お出かけミッションを作ろうか。とりあえず、有名どころで、姫路城とかいいんじゃない」

 

無理しすぎず、確実に前へ進む

 


それからの1週間、受験絡みのことと言えば、共通テストの申し込みのみ。あとは、ワンピースの映画を観たり、買い物に行ったり、流行りの音楽を漁ったり……約束通り、姫路城にも行きました。雨の中でしたが、思っていたよりも綺麗で感動しました。


先生の定めたルールについて、正直、「めんどくさいな」という気持ちもあったのですが、生活面で大きな変化が見られました。


それは、モーニングを食べるようになって、夜に爆食いしなくなったことです。アラームを使わず、朝7時には勝手に目が覚めるようにもなりました。


朝食は大事とよく言われますが、初めて実感しました。「コメダのモーニングに行け」というルールがなくなってからも、朝食は欠かさずに食べるようにしています。


10月中旬受験勉強を再開したのですが、変な話で「そろそろ勉強してもいいよ」と言われたとき、少し嬉しい気持ちになりました。あれだけ嫌だったのに、禁止されるとしたくなるのです。

 

勉強を再開した時点では、「共通テストの過去問」という制限がかかりました。受験直前期ではあったので焦りの気持ちもありましたが、僕のメンタルの波を気にしてもらいながら、徐々にペースを上げていくことに。11月に入ってからは、毎日の勉強課題を設定してもらい、勉強できない日もありましたが、「この日のこの時間はこれをする」という時間割的なものを作ってもらえたおかげで大きく崩れることなく、勉強することができました。


先生の作った勉強スケジュールは、僕にかかってくる負荷計算されたものでした。全科目、「できることを重ねる」を徹底したもので、「無理しすぎず、でも、確実に前へ進む」という方針が明確だったため、大きなストレスを感じることはありませんでした。計画の立て方の基本を改めて学べたと思います。


息抜きのため、2週間に1度お出かけミッションも設定されました。姫路城に感動したと伝えたためか、「次は彦根城ね。雪の前に行っとかないと」と言われました。僕の地元からすると距離があって渋っていると、「じゃあ、大阪城でもいいぞ。手裏剣、投げておいで」と。


結果的には、僕の希望で、天王寺阪神競馬場中之島レトロなど、近場の観光地に足を運びました。近くにあっても、案外、知らないものがあるなあと再発見できたのはよかったです。美味しい洋食屋さんも紹介してもらいました。

 

プレテストと本番

 

全統プレ共通テスト

 


「4浪で大学に入っても将来は大丈夫なのか」「この学部を選んだ場合、どのようなキャリアになるのか」など、勉強以外の相談にも乗ってもらい、メンタル的に安定した状態全統プレ共通テストを受けました。その結果は、次の通り。

 

  • 国語:143点
  • 英語:(R)82点(L)64点
  • 数学:(1A)82点(2B)71点
  • 理科:(物理)92点(化学)82点
  • 社会:(倫理政治経済)67点


総合約76%(683/900)という結果は、「やればできる」と思うには十分なものでした。勉強を中断していた期間の遅れも気になりましたが、共通テスト本番まで1ヶ月少しの時点でこの成績をとれたのは大きかったです。

 

共通テスト本番

 


その後、「これからできること・すべきこと」について相談を重ね、先生に作ってもらった毎日のスケジュール通りに進めていき、共通テストの本番を迎えました。


その結果は、次の通りです。

 

  • 国語:145点
  • 英語:(R)78点(L)84点
  • 数学:(1A)85点(2B)92点
  • 理科:(物理)95点(化学)64点
  • 社会:(倫理政治経済)75点


化学のように失敗したものもありましたが、それも実力です。とはいえ、総合約80%(718/900)という結果は、かつて予備校に通っていたときも含めて自己ベストでした。


人間、都合のいいものです。共通テストを終えてから、受験勉強のストレス小さくなりました。


思えば、「一発勝負のテストですべてを評価されてしまう」というところが、僕にとっては大きかったのかなと。


今は、大学個別のテストに向けて勉強中です。僕の4浪目の受験はまだ続きますが、最後まで全うできるように頑張ります。


(Iくん)

 

コロナ感染からの「受験断念」、からの再開|4浪目の受験ドキュメンタリー(10)9月上半期

f:id:logicalnotes:20220918220050j:image

 

大学受験生です。


8月下半期に書けなかったので、久しぶりのレポートになります。


まずは、ここ1ヶ月で僕に割と大きな心境の変化があったので、そのことについてお話ししようと思います。

 

コロナからメンタルの崩壊

 


実は、8月の下旬新型コロナを患ってしまいました。


8月の後半ほとんど療養に費やすことになりました。幸いなことに重症化はせず、下がらない微熱と倦怠感は長引きましたが、2週間ほどで元の体調に戻りました。


その後9月を迎えるのですが、そこで僕のメンタル過去一番壊れました

 

受験断念、相談、再び挑戦

 


原因よくわかりません


健全な心は健全な肉体に宿るじゃないですけど、40℃を超える熱が度々出た後の病み上がりだったからなのか、それとも7月以降ろくに進んでいない勉強計画受験への焦りだったのか。わからないですけど、疲弊し切った僕は、9月に入ってから数日が経ったある日、大学受験を断念しました。


4月から感情の波は度々あったのですが、まだ耐えられるところでおさまってましたし、自分で改善しようとするだけの気力は残っていたのですが、今回はその気力すら湧かずついに限界がきたなぁという感じでした。


自分の気持ちがそこまでいった後に、半ば報告のつもりで、今お世話になっている吉崎先生相談させていただきました。


すると、その相談の中で、すごく個人的な話になるのでこの場には書けないですけど、僕の知らない知識や、僕が持っていなかった物事の見方や考え方を得ることができて、現状の僕すごく悲観的な状態で物事を見ていること、視野が狭い状態で判断を下そうとしていること、に気づかせてもらいました。


そのおかげで、もう一度、大学進学を目指すことにしました。

 

現在

 


今はまた大学受験へ向けて勉強を進められていますが、一度大学受験を諦める決断自分でできたおかげで、プレッシャーがないわけではないですけど、強迫観念みたいなものはなくなり以前よりも良い精神状態で日々を送れています。


ただ、夏季の間勉強計画が進んでないことは事実なので、調整を入れつつ遅れを取り戻したいと思います。

 

指針

 


10月からは共通テスト過去問に専念


英語:リスニングの対策

数学:9月末を目安に基礎の復習

物理:苦手分野の強化、その後共通テスト対策

化学:有機の基礎からの復習

社会:教科書レベルの全体の復習

国語:主に古典の共通テスト対策


共通テストの対策がメイン


勉強日:月曜日~土曜日の6日間、日曜日を予備日とする

 

計画

 


09:00~12:00:【英検の対策】パス単、Z会速読英熟語、英検準一級英作文問題完全制覇

13:00~14:00:【古文・漢文・倫理政経】共通テストの過去問、教科書

14:00~15:00:【物理・化学】良問の風、宇宙一わかりやすい化学 有機編

15:00~16:00:【数学Ⅲ】黄チャート

16:00~19:00:【数学ⅠA・ⅡB】総合的研究


(Iくん)

「メンタルの危機」のなかで考えさせられたこと|4浪目の受験ドキュメンタリー(9)8月上半期

f:id:logicalnotes:20220817191539j:image

 

大学受験生です。


実は7月いっぱい精神的に厳しい状態に陥ってしまい、今回、1カ月ぶり「4浪目の受験ドキュメンタリー」となります。「7月下半期」の文章自体は作成していたのですが、管理者の吉崎先生と相談したうえで、いったん公開を見送ることになったからです。


まずは、公開するはずだった「7月下半期」についての文章を載せたいと思います。精神的に追い詰められていた時に書いたものなので、非常に感情的な文章です。その点は、ご了承ください。

 

感情的になった「7月下半期」

 


7月勉強ができない日が続きました。正直限界を感じるところまでいって、精神的にかなりまいってしまい、受験どころじゃなかったです。でも、受験をやめた後の将来も想像できないし、どう生きていけばいいのかもわからないので、受験は続けるしかないのですが、こんな調子で続けても、受験の結果が良いものになるはずもないという焦りに追い詰められています。


本当は順調に勉強が進んでることを報告できたらとも思っているんですけど、実際にはうまくいっておらず、嘘を報告するわけにもいかないので正直に伝えようと思いました。


自分のしていることすごく無駄なことのように思えて、結果が出なかったらと思うと怖くもなるし、逃げたい気持ちは正直あるけど、今まで受験しかしてきておらず、逃げても社会復帰しづらくなってしまうために、逃げることもできません


個人的に今の自分は、結果が出せないでいるアスリートのような境遇に近いんじゃないかと思っています。本当は頑張りたい気持ちがあるけれど、結果が出ないかもしれないと不安になり、かといって続けてきたものを途中でやめてしまう自分には何も残らない。アスリートの方々と違い僕の場合は、その時が来てさえしまえば大なり小なり結果がでるためまだマシなのかもしれませんが、渦中にいる自分にとっては悪夢そのものです。


幸い僕は周りの人に恵まれており、まだ踏み留まることができています。もう少しだけ頑張ってみようと思います。

 

その後

 


この文章を吉崎先生に送ったのですが、記事にするには文章が少なく、受験勉強記録とは言いにくい内容でもあります。また、「これを公開することが君にとっていいことなのか、判断できないので、申し訳ないけれども、公開するかしないか、いったん預からせてほしいと思う」という先生の意見もあり、結果的に「7月下半期」の記事リアルタイムで公開しないことになりました。


7月後半の僕は、精神的に追い詰められ、非常にまいっていました。ネットで調べた精神科に電話もしました。お医者さんから見て、「受験を続けてもよい精神状態なのか」を聞きたいと思ったからです。コロナ禍ということもあって、2軒電話口で「初診はちょっと……」と断られたのですが。


仕方がないので、7月後半の僕は、ただただ自分の心を休めていました。勉強はできないとしても月末にある「模試」まで耐えようと思い、耐えてきました。


3浪目の昨年度受験自体を諦めてしまいましたし、2浪目コロナの影響「模試」を会場で受けていません。今年の春に「英検」を受けましたが、英語以外のテスト試験会場で受けること自体、ずいぶんと久しぶりのことです。


僕にとって、大学会場で受ける7月末の「模試」特別なイベントでした。

 

「模試」で心境が少し変化

 


その最中のことです。少し気持ちが変わっている自分に気づきました。


もちろん解けなくて落ち込む気持ちもあったのですが、それと同時に、ちょっとスッキリしたのです。理想と現実のギャップ明確になったことで、漠然とただギャップに悩むだけじゃなく、やるべきことを自分の中で可視化できたからだと思います。


今振り返ると、それまで「未来の自分がなんとかしてくれるだろう」「今、やるべき課題をしていなくても、明日の自分がどうにかしてくれるだろう」という状態だったと思います。しかし、模試を受けている時、言い表すのがとても難しいことではあるのですが、やけに自分でやっている実感があり、今の自分がどうにかしないといけないと気づかされました。それからは、不安の波に飲み込まれることが減ったように感じます。


こういうことがあって、模試の翌日から勉強に復帰することができました。

 

現在の受験勉強

 


現在の勉強計画は次の通りです。なお、自習利用可の図書館で勉強しているため、開館日などの都合上、勉強日は火曜~土曜。日曜を休息日、月曜を予備日と設定。

 

  • 09:00~12:00:【英語】パス単、Z会速読英熟語、英検準一級英作文問題完全制覇
  • 13:00~14:00:【古文・漢文・倫理政経】共通テストの過去問、教科書
  • 14:00~15:00:【物理・化学】良問の風、宇宙一わかりやすい化学 有機編
  • 15:00~16:00:【数学Ⅲ】黄チャート
  • 16:00~19:00:【数学ⅠA・ⅡB】総合的研究


先ほども述べましたが、7月下半期は、何も手がつけられないほど精神状態が悪化してしまい、受験やただ生きていくことさえもうダメかもしれないと思うほどにメンタルが落ち込んでしまいました。4月と比べ、少しずつ良くなっていた気がしたのですが、感情の波みたいなものが周期的に襲ってくるようなもので、7月かなりひどいものでした。


8月上半期では、その状態から少し改善し、理想的ではないまでも最低限の勉強は進められました。今は9月から共通テストの対策ができるように国語社会も含めて、全教科の基礎を復習し直してるところです。

 

「『受験生の孤独』との向き合い方」を読んで

 


4浪目の生活をしているなかで、度々メンタルが不安定になり、勉強が手につかなくなることがありました。その要因を僕は「焦りと不安」だと認識していました。受験生なら皆が感じるだろう、ごく一般的な受験への焦り将来への不安


僕の場合、年数を重ねていることのプレッシャーから、今までより負担を大きく感じているのだと思っていました。実際それでも間違いはないでしょうし、そういう認識でも別に問題はないと思います。


ですが、先日、吉崎先生の書かれた「孤独」をテーマにした記事を読んで、そもそもの「焦りと不安」の根源孤独があるのだと気づき、何か自分のなかで煩雑なものが整理されたかのように感じました。

 

www.logical-notes.com

 

例えばの話ではありますが、もし今の日本が、社会に出るのは30歳前後が普通で、それまでは自分のしたいことを5年でも10年でも探していいし、してもいいというような社会であれば、おそらく、今、僕が感じているような焦りや不安は殆どないでしょう。だから、今の僕は、周りと違うことに孤独感を覚え、そこに悩んでいるんだと思います。


自分の悩みの根源孤独があるとわかり、その上で記事を読んでいくと、受験における孤独との戦いの1つに、自分のニーズとの向き合い方があると書かれていました。

 

「自分のニーズ」自分自身で受けとめ、引き受ける。これから「自分の人生」を生きていくために必要な精神性を獲得する、そんな通過儀礼的側面が「受験」にあるように思えてなりません。

 

吉崎崇史「『受験生の孤独』との向き合い方」(2022/08/03)


まさしく、今の僕ちょうど刺さる内容でした。

 

生き方を決めるのは、孤独な自分

 


記事を読んで気づいたのですが、僕にはおそらく2通りの生き方があります。


考えることの一切をやめて、ただ大衆の一部として流されて生きる生き方。別にこの生き方を否定する気もありませんし、むしろ個人的には好印象です。流されているからといって人生全てが無味無臭というわけではないでしょうし、十分満足した生き方もできるでしょう。


もう1つが、すごく良い風に言えば「自分の人生を生きる生き方」であり、「周りに流されない生き方」。この言い方は格好のつけすぎな気がしてあまり好きではないので、言い換えると、「流されるわけではない生き方」


上記の2通りの大きな違いは、自分のニーズ社会的又は世間的に求められるニーズ同化しているか、区別しているかにあると思います。ただ、「社会のニーズに沿いたい」「自分のニーズ」に包括されるでしょうから、どちらが良いか、どちらが悪いか大差ないでしょう。


問題なのは、両者が「曖昧なまま」の場合です。


今の世の中、情報が簡単に得られるようになった一方、他人と比較することも容易になってしまいました。その結果、自分のニーズを考えることをしないまま、周りとの比較だけをしてしまい、気がつくと自分のニーズが迷子のまま、周りのニーズに合わせるような行動をとっていた、ということが起こってしまうように思えます。


こういった生き方をしてきた場合、大学に入った後なのか、仕事にも慣れて先の展望がある程度わかるようになった30歳前後なのかはわかりませんが、どこかのタイミング自分のニーズを考える瞬間がくるのだと思います。ここで大事なのは、社会のニーズに従うにしろ、そうじゃないにしろ、決められるのは自分しかいない。また、自分のニーズ向き合うときには、その性質上、孤独でないと成り立たないということでしょう。


今の自分が抱える孤独感とは、4浪したからもたらされた特別なものというわけではなく、それぞれ形は違えど、自分のニーズ向き合った過去のある人達からすると皆が経験したものであり、これから自分のニーズと向き合う人達も皆、経験していくものであると気づくことができました。このことに気づくと、本質的に個々人のニーズは到底比較できるものではないことにも行き着きますし、周りの目を気にすることが有効かどうかは、少し考えればわかることと思います。


今回、このように自分との向き合い方一度整理できたことは、今後の自分のためにもとてもいい機会でした。このようなきっかけをくださった吉崎先生にはとても感謝しています。


後数ヵ月ですが、なんとか頑張りたいと思います。


(Iくん)

「受験生の孤独」との向き合い方

f:id:logicalnotes:20220802175044j:image


こんにちは。


当サイト管理者吉崎です。


主な仕事は、大学進学希望者を対象とする受験サポート。「現代文」などの学科をすることもありますが、基本的には「小論文」「面接」を担当しています。いまのスタイルの生活になったのが2009年。気づけば、すでに干支をひと巡りしている状態になりました。


担当科目の特性もあって、少人数レッスン個別指導がほとんど。そのため、仕事をしている時間の大半受験生との会話。もう10年以上、そんな生活をしています。


今回、受験生の「孤独感」をテーマに私見をまとめてみようと思い、この文章を書いているわけですが、まずは、そのきっかけについて言及させていただきます。それは、当サイトのシリーズ記事、「4浪目の受験ドキュメンタリー」です。

 

www.logical-notes.com

 

4浪目の受験ドキュメンタリー

 


執筆者Iくんは、高校を卒業してからの2年間に通って受験勉強に専念。3浪目の昨年度「宅浪」で頑張ることになったのですが、その厳しさに直面し、「受験」自体を諦めてしまいました。その後、いろいろあって、再度、大学受験に挑戦することになり、現在、勉強記録などを当サイトで公開しています。

 

www.logical-notes.com

www.logical-notes.com

 

  1. 勉強の方針、計画を決める
  2. Iくん、頑張る
  3. やってきたことを振り返る
  4. 文章にして、吉崎に報告
  5. 記事化して公開
  6. ミーティング・話し合い(1に戻る)


おおまかに言えば、こんな流れです。


この6「ミーティング・話し合い」では、(ほぼほぼ雑談のようなものではありますが、)次の5項目話題にするようにしています。

 

  1. どんなことをした?
  2. どう思った?
  3. なにができて、なにができなかった?
  4. これからどうしたい?
  5. とりあえず、どうすればいい?・どう思えばいい?


このような会話のなかで、メインテーマになることが多いのは、やはり「気持ち」の問題

 


これらは「受験」を断念した3浪目を振り返ったIくんの発言ですが、目立つのは「ひとり」という言葉。また、Iくんは「『宅浪』のしんどさの要因」として、最初に「自分が前に進んでいるのかが見えにくいこと」を挙げているのですが(「4浪目の受験ドキュメンタリー(2)」)、これも「ひとり」だからこそではないかと思われます。


宅浪生に限らず、受験生というものはどうしても「孤独感」を覚えがちです。ただ、「宅浪」の場合、常に「ひとりである」という感情と向き合うことになります。そのしんどさについて語るIくんの言葉は、受験生一般にとってはもちろん、その寄り添い者である保護者などにとっても有用なものではないでしょうか。


仕事上、私は、受験生からその孤独感についての話を聞くことがたくさんあります。とはいえ、「仕事上」のことですので、宅浪生の話を聞く機会はそれほど多くはありません。また、私自身、大学受験と大学院受験の際に「宅浪」を経験したのですが、このときの感情は当事者としてのものでしかなく、また、当時の職場や仲間に恵まれたという思い出補正もあって、個人的な昔話の域を出ないエピソードしか持ち合わせておりません。


こういった事情もあり、私にとってIくんの話は程よい客観性を有するものであり、「受験生の孤独感」について考えされられることも多かったため、今回、文章にしてまとめてみようと思った次第です。

 

「孤独」ってなに??

 


「孤独」という語は、日常的に使用するものであり、だからこそ、その意味内容ぼんやりとしてしまいます。だから、まず、私は思考の手がかりとして「孤独=ひとりぼっちであること」と言葉にしてみたのですが、よくよく考えてみると、ずっと無人島で暮らしてきたわけでもありません。これまで個人的に深く孤独感を覚えたこともあるにはあったのですが、そのときでさえ、客観的事実として「ひとりぼっち」であったことはありませんでした。


そこで、もう少し正確な意味を確認してみようと思い、とりあえずGoogleの検索ボックス「孤独とは」と入力してみました。


「デジタル大辞泉」には、「仲間や身寄りがなく、ひとりぼっちであること。思うことを語ったり、心を通い合わせたりする人が一人もなく寂しいこと。」とあります。


「受験生」、もう少し踏み込んで言えば「『受験』を選択することが状況的に可能な人」を対象にすると、「仲間や身寄りの不存在」という条件に該当する人は多くないでしょう。そのため、ここでは「孤独=思うことを語ったり、心を通い合わせたりする人が一人もなく寂しいこと」と捉えてみることにします。

 

「孤独」は主観的なもの

 


「思うことを語り合ったり、心を通い合わせたりする人」が存在するか否かは、非常に主観的なものです。本人が周囲にいる人を見て、思うことを語り合ったり、心を通い合わせたりする関係にあると感じるか否かの問題です。同じ時間同じ場所誰かがいたとしてもそれだけでは足りず、そこに渇望感寂寥感が生じたとき、人は「孤独」を感じるということでしょう。


学校や塾・予備校に通っている人周囲には、事実としてたくさんの人が存在しています。「宅浪」であったとしても「受験」を選択できる状況であれば、家族など近しい関係にある人がいるはずです。しかし、「思うことを語り合ったり、心を通い合わせたりする」ことができていない寂しさを感じるならば、(少なくともその瞬間は)「孤独である」と言えます。


では、受験生「思うことを語り合ったり、心を通い合わせたりすることができている」と感じるのは、どのようなときなのでしょうか。

 

「語り合いたい思い」はなにか??

 


受験生ほど「自分のニーズ」に直面する立場はあまりないでしょう。

 

  • 希望する職業に就くため
  • 興味あるものを学ぶため

 

このような、自分の価値基準に照らした目的はもちろん、

 

  • 社会的ステイタスを得るため
  • 周囲からの期待に応えるため

 

こういった他者評価を目的とするものであったとしても、結果として、それを望んでいるのは「自分自身である」わけですから、いずれにせよ「自分のニーズ」が根底にあります。


「受験」というものに意識が向いていればいるほど、そのための取り組みに費やす時間は増えますし、たとえ趣味や息抜きの時間であっても「勉強のこと」頭のどこかに残ります。これが「なんのために勉強しているんだろう」といった思考に結びついたとき、「自分のニーズ」を直視することになるのです。


勉強のことだけを考えている場合、たとえば英語の文法数学の公式のような、学習項目についての話をする相手がいれば、その人を「思うことを語り合ったり、心を通い合わせたりする人」と認めることになるかもしれません。


しかしながら、ほとんどの受験生は「受験科目を勉強したいから勉強している」というわけではなく、「進学したいから勉強している」のです。そのため、学習項目の話をする相手がいたとしても、「思うことを語り合えているなあ・心が通い合っているなあ」とはならないと思われます。


「なんのために勉強しているのか・なんのために我慢しているのか」といった「自分のニーズ」受験生の頭の大きな割合を占めているならば、それをわかり合える相手がいたとき、「思うことを語り合えている・心が通い合っている」となるのではないでしょうか。


しかしながら、そんな相手はいない。あるいは、期待してはいけないと思います。

 

「自分のため」の孤独

 


先にも述べましたが、受験生の根底には「自分のニーズ」があります。それは受験生に限った話ではないでしょうが、受験生に関しては、常に「自分のニーズ」と向き合わざるを得ないという点で特殊な状況にあります。


要は、受験生「自分のため」に勉強しているのです。結果として「誰かのため」になることはあるかもしれませんが、あくまで「自分のためであると同時に~」という関係にすぎません。


「自分のニーズ」についての語り心よく聞いてくれる人非常に限られます。誰しも、他人よりも自分のほうが大切であって、表面上はともかく、他人のことについて親身に考える余裕があるわけではないからです。


良好な関係の家族であれば、聞いてくれたり、考えてくれたりするかもしれません。ですが、「受験」、特に大学受験となれば、ある意味で「家族から離れる」ための営みなので、家族に対して「語りにくさ」を覚える受験生も少なくないでしょう。


親身に話を聞いてくれる相手が見つからない。聞いてくれそうな人には、ある意味で「さよなら」を告げるようなものなので話しにくい。


「自分のニーズ」自分自身で受けとめ、引き受ける。これから「自分の人生」を生きていくために必要な精神性を獲得する、そんな通過儀礼的側面が「受験」にあるように思えてなりません。


こういった考えもあって、Iくんに対してもそうですが、受験生と接するとき、私は「どうしたい?」と頻繁に聞くようにしています。これが受験生の孤独感にどう作用するのかはわかりません。ですが、「あ、そういうこと考えてたんだ」「そういう価値観があるんだね」といった、受験生の個性に触れられる瞬間があり、その人に合わせた言葉を考えるきっかけにはなっています。

 

「自分」に向き合おうとしても……

 


「自分のニーズ」のためのことをしている。


自分のためのことを第一に考えて行動する。


こういった意識をもって、「いま、やるべきこと」に集中するのが受験生にとって得策であると思うのですが、現実にはそうそううまくいきません


孤独と向き合う時間にしようと考えても、頻繁に「邪魔」が入るからです。


それは「周囲の人」の存在


受験生の置かれている客観的状況「ひとり」ではありません。周りを見渡せば、交流の有無はともかく、たくさんの人がそこにいます。そして、目に入ってくる人たちには「思うことを語り合ったり、心を通い合わせたりする人」がいるように見え、それと自分を比べたとき、より一層、自身の孤独感が際立ってくる……。


「自分のニーズ」を引き受けるしんどさ。これはあくまで本人だけのものであり、だからこそ、「自分だけが苦しんでいる」「なんで、私だけが……」という意識を招き、その個人的苦しみ無縁の周囲の人を見たとき、気持ちが滅入ってしまう。10年以上、(言い方は人によって異なりますが、)このような話を私は聞き続けてきました。


「お気楽そうに見えるかもしれないけど、みんなそれぞれ頑張ってるんだよ」的な話をしてみたところで、まったく響きません。当たり前です。他人が抱えているかもしれない苦悩について、真に実感できるわけではありませんので、「みんな、しんどさを抱えている」と言われても、「あ、そう……」となるだけでしょう。私だってそうです。


周囲の人を、どのように受けとめていけばいいのか


これが、受験生孤独と向き合うになると思います。

 

周りと比べてしまう

 


さて、Iくん


4浪目の今年、昨年度と引き続きの「宅浪」なのですが、昨年は「受験」自体を諦めてしまったので、昨年度はノーカウントと考えたいところ。今年度、「受験」までたどり着いたときに「宅浪」を完遂できるかたちです。


これまでの反省の時間もしっかり設け、腹を決めて意気込み満タンで頑張っていたのですが、そんなIくんですら、5月の連休中モチベーションの危機が訪れました。

 

www.logical-notes.com

 

長らく受験対策の現場におりますと、「受験生あるある」のようなものであるのですが、ゴールデンウィークは受験生にとっての最初の精神的山場「世間がうわついたムードの中で……気が滅入ってしまう」(「4浪目の受験ドキュメンタリー(4)」より)のです。

 

  • (5月)二週目が気持ち的に一杯一杯になってしまい、勉強が進められませんでした。
  • 受験や進路のことで精神的に疲弊している身としては、辛いものがありました。どこか自暴自棄な気持ちになり、勉強から逃げてしまいました。

 

Iくんのこの発言から始まる「4浪目の受験ドキュメンタリー(4)5月上半期」ですが、そこで「気が滅入ってしまう大きな要因に周りと自分を比べてしまうことがある」自己分析


最終的に、Iくんは、次のような考えに至りました。


「僕の行き着いた考えが『人と違うゴールを目指してるんだから、道中、人と違うのは当たり前じゃない?』でした。……自分で考えて選択した事に関しては、周りと比較するしないではなく、そもそも比較できないものであると理解しました。」


周りと比べてしまう気持ちを抑えるうえで、このIくんの考え方は、理想的な気の持ちようだと思います。

 

比べてしまう「誰か」には架空の自分も含まれる

 


「受験生は孤独である。しかも、その苦しみとは無縁の人たちが目に入る。」


ということを述べてきたわけですが、それだけで「孤独と向き合う受験生」しんどさを表現できているとは言えません。


多くの受験生は「我慢するのが辛い」と言います。「なにを我慢しているの?」と聞けば、「したくない勉強をしている」「したいことができてない」と答えます。


仕事上、頻繁に行うこのやりとり。あくまで「個人的に」ではあるのですが、受験生のその語り口のなかに、どこか「周囲の人と比べるしんどさ」と同様のものを感じるのです。


「周りと比べてしまう」「誰かと比べてしまう」と捉え直すと、そこには「他人」だけでなく「自分」も含まれてきます。「自分」といっても「架空の自分」です。


「いま受験勉強をしていない自分」


受験勉強していて「我慢しているなあ」と感じるとき、前提として「受験勉強をしていなければ我慢しなくてもよかったこと」を意識しているはず。その我慢をしていない「架空の自分」を比較対象とする「誰か(=架空の自分)と比べるしんどさ」を覚えているのではないでしょうか。


これは、「受験」を選択したからこその悩みではあるのですが、浪人生の場合には「すでに合格していて受験勉強しなくてもよい自分」「架空の自分」として現れてきます。


実は、Iくんも、周囲の人と比べることで落ち込んでしまった5月を乗り越えた後、しばらくは順調に進んできたのですが、7月、気持ち的に不安定な状態に陥ってしまいました。


www.logical-notes.com

 

「年齢で差別されるんじゃないだろうか、4浪では就職できないんじゃないだろうか」という悩みが大きくなり、受験勉強とは違うところ消耗してしまう状態。私は、このIくんの言葉に触れ、「年齢差別とは無縁のうちに合格していた架空のIくん」「いまのIくん」攻撃しているように感じました。


このことについて、4浪目Iくんは、「厄介なのが、以前も同じことで悩み、一度前向きになれたにもかかわらず、また同じことで悩み出すことです」と語ります。


ただでさえ受験勉強で消耗しているのに、それ以外のところさらに消耗してしまう。そして、その事態は何度も何度も起こり得る


このしんどさと、受験生はどのように向き合っていけばよいのでしょうか。

 

選択しなかった「しんどさ」を想像する

 


「周囲の人」「自分」を比べるのがしんどさの要因ならば、(とっても難しいことではありますが、)「周囲の人を見ない」という対処法があります。他方、「我慢をしていない架空の自分」「いまの自分」を比べたときに覚えるしんどさは、どうしても比較対象が「自分」であるため、「見ない」や「意識しない」といった対処ができません


ところで、有名な英語ことわざ「The grass is always greener on the other side of the fence(隣の芝生は青い)」があります。


他人のことは、常に(always)よく見えてしまう。これは、他人の抱えている苦労見えにくいからではないでしょうか。そして、それは、ことわざにもなるくらい、普遍的ものの見え方なのでしょう。


「しんどい思いをしている自分」「そうでない(そう見えない)他人」を比べる。


滅入っていると、どうしてもこのような状態になり、より一層落ち込んでしまいます。ですが、なんとかそこを堪えて、Iくんが5月の連休後に言語化した通り、「そもそも比較できないものである」と考えたいところです。


自分にとってのしんどさ自分だけの特別なものであり、それは他人にもあてはまる。内容は違えども、しんどさを引き受けていること自体はみんな同じ。だから、「なんで自分だけ……」と思わないでいたいものです。


そして、このことは「架空の自分」についても同様だと思います。


「受験」をしないことを選んだ場合でも、すでに「受験」を終えた場合であったとしても、なにかしらの「『しんどさ』を引き受ける」ことに違いはありません。


Iくんについて言えば、「2浪目までに不本意なかたちで進学した場合」「3浪目の『受験』断念を経て、再チャレンジしない場合」において、また、「そもそも『受験』せずに高校卒業後に就職した場合」において、それぞれの場合における「しんどさ」は発生したはずです。さらに言えば、仮に受験勉強がうまくいって希望する大学に進学できていたとしても、その状況に応じた「しんどさ」を感じたことでしょう。


そんな「架空の自分」が引き受ける悩み「いまの自分」のそれとは、Iくんの言葉を借りて言えば「そもそも比較できないもの」です。


自分のニーズと向き合うのは「孤独」な営みです。真の意味で誰かと共有できるものではありません。ですが、それは「自分の人生」を選択した結果であり、そのときに感じるしんどさ「いまの自分が選択したもの」と言えるでしょう。


であれば、「いまの自分が選択しなかった『しんどさ』」もあるはずです。それに悩み苦しみ耐え抜いている「周囲の人」や「架空の自分」想像することで、「殊更に『いまの自分』をネガティブに捉えなくてもよい」という心持ちも生まれるのではないでしょうか。

 

「受験生の孤独」との向き合い方

 


受験生かなり特殊な状況にいます。


学科の勉強以外にも、出願の準備受験戦略の策定。こういった作業は、必ずしも「したいこと」そのものではないでしょう。これらに加え、それなりの長丁場になるわけですから「気持ちを保つこと」も重要課題です。


こういった過程において、受験生には「『自分のニーズ』と向き合う孤独感に対処する」という隠れミッションがあります。多くの人にとって、これは初めての経験になるのではないでしょうか。


今回、「『受験生の孤独』との向き合い方」という大層なタイトルを設定して書いてきましたが、正直なところ、一概に「どうすればよいのか」わかりません。いや、むしろ「『わからない』と考えるべきだ」という主張をもっています。


「自分のニーズ」個別性


これを念頭に置くと、本人でない以上は「わからない」と言わざるを得ず、「受験生の孤独」との向き合い方も含め、「どうしたいかを本人によく聞いてみる」しかできない。


10年以上プロ予備校講師として生活の大半受験生との会話に費やしてきた結果、こうした考えが私のなかで強くなっていきました。


「孤独」と向き合うべきは、あくまで受験生本人であって、寄り添う側は、そのニーズを傾聴したり、選択肢について情報提供したりするくらいしかできません。過度な「すべき」論の押しつけは、受験生から「孤独に立ち向かう力」を奪うようなものでしょう。


「『受験生のニーズ』を聞く」ということは、つまるところ「『どんな人生を選択したいのか』を聞く」ということだと思います。これには「どんな『しんどさ』を引き受けたいか」も含まれます。


「なにを選んで、なにを選ばないのか」を、もっと言えば、「なにを選びたくて、なにを選びたくないのか」受験生本人が言葉にすること。これが「受験生の孤独」と向き合う鍵になるのではないでしょうか。


成長とは、それまでの自分に「さよなら」することだと思います。そんな旅立ちの時、安心して「行ってらっしゃい。君に幸あれ」と言えるような、そんなかかわりをしたいと思います。

 

以上、長々と書いてしまいましたが、ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。


(吉崎崇史)

 

ストレスコントロールについて考える|4浪目の受験ドキュメンタリー(8)7月上半期

f:id:logicalnotes:20220719154924j:image

 

大学受験生です。


前回の記事では夏以降の勉強計画を見直し、この7月上半期はそれを実行してみました。

 

www.logical-notes.com

 

  • 09:00~12:00:【英検の対策】パス単、Z会速読英熟語、英検準一級英作文問題完全制覇
  • 13:00~14:00:【古文・漢文・倫理政経】(科目は日替わりローテーション)共通テストの過去問、教科書
  • 14:00~15:00:【物理・化学】(科目は日替わりローテーション)良問の風、宇宙一わかりやすい化学 有機編
  • 15:00~16:00:【数学Ⅲ】黄チャート
  • 16:00~19:00:【数学ⅠA・ⅡB】総合的研究

 

感想

 


6月以前の計画に比べ、1日あたりの勉強量が増え、また、進捗具合が測りずらいリスニングなどに苦労はしていますが、ある程度順調に計画は進められています。


ですが、ただ毎日を単調にこなすことができているわけではなく、気持ちに振り回される部分は大きいなと感じます。


具体的には、大学に受かるのだろうか年齢で差別されるんじゃないだろうか4浪では就職できないんじゃないだろうか、のようなことを考えてしまい、勉強をしなきゃいけないのに違うところで消耗してしまうことも多いです。しかも厄介なのが、以前も同じことで悩み、一度前向きになれたにもかかわらず、また同じことで悩み出すことです。おそらく、この傾向は不安のもとが断たれない限り、完全になくなることはないのでしょう。


そこで一度、4月から現在までで実践してみたストレスとの向き合い方気づいたことを、数ヶ月後の自分のために整理したいと思います。

 

モチベーションの使い方

 


これまで僕は、モチベーションの使い方とても下手くそでした。


今までは、高い志があれば自然と勉強をするだろう強い動機があれば勝手にやる気は湧いてくるだろうモチベーションさえあれば自ずと成功するだろう、のようなことを思っていました。


ですが、それは間違いでした。


現に僕は今受験に失敗し続けていますが、落ちようと思って受験したことはないですし、目標もやる気もあったため浪人選択できました。ただ使い方が下手だったんです。


モチベーションは、やる気ゼロの状態からプラスへ変えてくれるものではなく、諦めそうになった時や投げ出しそうになった時に、マイナスからゼロに戻してくれるものなんだと気づきました。


そもそも人間の感情にはがあり、24時間365日やる気に満ち溢れている人の方が極端に少ないと思います。しかも、物事に集中している時モチベーションのことは頭になくて、自分が怠けそうな時に立ち返る「初心」のような役割を担うのが、モチベーションベストな使い方なのかなと思いました。

 

ストレス対策

 


ストレスへの対策として取り組んだものがいくつかあって、それらの試してみた実感と感想をまとめたいと思います。

 

効果なし

 

ゲーム

 


もともと好きだったし以前はよくしてたんですけど、強いストレス下では逆効果でした。多少の息抜き程度にはなるのかもしれませんが、罪悪感の方が大きく、強烈な不安に襲われている時には、全く意味がありませんでした。


ちなみに、ストレスの対処法としてドーパミンが分泌されるタイプの発散方法は、ドーパミンが出ている間しか効果がないらしく、一時的にストレスを忘れるだけの効果しかないため、ゲームはこれに当てはまったのだと思いました。

 

効果不明

 

筋トレ

 


腕立て伏せ、スクワットを、1日20回×2セット程度の軽い運動しかしてないので、短期間劇的な変化はそんなに感じられませんでした。


とはいえ、長期的に続けることで筋肉量が増えるでしょうし、それによりテストステロンが分泌されて、集中力が上がったり、不安を感じづらくなったりする効果を期待し、受験本番のために続けていきたいなと思いました。


あと、体重3ヶ月5キロ減りました。

 

効果あり

 

瞑想

 


まず、瞑想について軽く説明を入れると、瞑想には何か決まったやり方があるのでは、と思われるかもしれませんが、そんなことはなくて、そもそも「瞑想」という言葉は、「スポーツ」に近い言葉だと個人的には思っています。


スポーツには、陸上競技や球技があり、球技の中にもサッカーやバスケがあり、それらをまとめてスポーツと呼ぶように、瞑想も目的や手法によって色々派生はしてますが、大きい括りでの瞑想はすごく身近なものでした。簡単な話、深呼吸も瞑想の一種です。


その中で、僕が主に取り組んだものは、

 

  • ヴィパッサナー瞑想:ただ呼吸に集中する
  • ジャーナリング:頭に浮かんだ不安や考えをひたすら紙に書き起こす


の2つです。


瞑想の効果の核になる部分は、「今に集中する」ということにありますが、今の僕の心境に合わせて解釈すると「嫌なことは考えない」になると思います。


人間の本能には、まだ人類野生で暮らしていた頃のものが残っていて、強いストレスを受けると逃げるよう脳がプログラミングされているとのこと。その際、命を守るため、確実に逃げられるために、考えうる限りの最悪の事態を考え続けるらしいです。そのため、人の考える将来の不安の96%は実際には起こらずただ妄想を延々と繰り返してしまうだけなのだそうです。


瞑想は、そういった悪癖に振り回されず、今やるべきことに集中させてくれることで、自分のことを不安から遠ざけてくれます


Appleの創業者スティーブ・ジョブズがアメリカのスタンフォード大学で行ったスピーチ「Connecting The Dots」にも通ずるものがあると感じました。


将来がどうなるかわからない、でも、今すべきことに注力し、今を生きる、そうすることで振り返った時に一つの線で繋がっていることに気づく。


先の不安ばかり考えて勝手に疲弊してしまう、今の僕1番必要なマインドを、瞑想を通して学んでいきたいです。


(Iくん)

記録=転がり落ちないための安全網|4浪目の受験ドキュメンタリー(7)6月下半期

f:id:logicalnotes:20220705190211j:image

 


大学受験生です。

 

英検の結果

 


先日に受けた英検結果が返ってきました!


結果は・・・残念ながら、不合格でした。


正直、腕試しの意味合いも兼ねての受験だったので、受かるのは厳しいだろうとは思っており、さほどショックはなかったです。


f:id:logicalnotes:20220705190232j:image


内訳は、次の通り。

 

  • <Reading>26/41問(63%)
  1. 【大問1】12/25問:単語、熟語の用法問題
  2. 【大問2】06/06問:長文の空所補充問題
  3. 【大問3】08/10問:長文の内容一致問題

 

  • <Listening>09/29問(31%)
  1. 【Part1】06/12問:短い対話の内容一致
  2. 【Part2】03/12問:1トピックについての長文の内容一致
  3. 【Part3】00/05問:現実の状況に即した英文の内容一致

 

  • <Writing>10/16点(63%)
  1. 【内容】02/04点
  2. 【構成】02/04点
  3. 【語彙】03/04点
  4. 【文法】03/04点


<Reading>【大問1】最後に解いたのですが、筆記テスト【大問4】の英作文時間を使いすぎてしまい、【大問1】の後半間に合いませんでした。


そして、時間を費やしすぎたにもかかわらず、<Writing>指定字数まで届かず中途半端で終わってしまいました。しかしながら、点数を見る限り、思ったより大コケしたわけではなさそうで、次回までに時間内に書き切れるようになれれば、<Reading><Writing>合格水準まで到達できるのかなと思っています。


問題は<Listening>なのですが、点数を見る限り、英検の過去問で演習を重ねるレベルじゃないので、<Reading>、<Writing>よりも重点的に対策をしたいと思っています。

 

第一回共通テスト

 


初めての英検も終え、ひとつの区切りですので、現時点での自分の立ち位置を把握するため、第一回共通テストを解いてみました。これは最後に自分が受けた共通テストでもあります。


結果は・・・

 

  • 筆記:86/100
  • リスニング:52/100


でした。


リスニングはまだまだ数字になってあらわれていませんが、筆記の点数が大幅に上がっていました。僕が第一回共通テストを実際に受けたのは2浪目のときで、当時の点数73点でした。その後、3浪目の途中で受験を諦め、完全に勉強から離れてしまったので、今年の初めの時点では成績がかなり落ちていたはずです。


1年半前に解いたことのある問題とはいえ、までに「共通テスト筆記85%以上」を達成できたのは、この4浪目の成果として前向きに捉えたいと思います。


同時に、今後の課題も見えてきました。


共通テスト形式からしばらく離れていたため、慣れていないのもあるかもしれませんが、筆記集中力が問題になりそうです。英検と違い全問長文読解のようなものなので、時間内に解くのがネックになりました。


リスニング「英検よりはマイルドなのかなぁ」とは思いましたが、点数につながるまでにはまだ時間がかかりそうです。ただ、リスニングの場合、筆記ほど英検との形式の差に影響されないので、「英検のリスニング」今年の僕の受験のキーポイントになりそうです。

 

6月下半期の振り返り

 


前半概ね順調に進められたのですが、後半1週間ほどが計画通りに勉強が進められず、結果、予定していた範囲の復習ができませんでした。具体的には、物理3日分化学4日分遅れました。ですが、一応まだカバーできる範囲なので遅れた分は7月の始めの予備日で補填します。


ペースが崩れた原因としては、自宅での勉強時間を増やしたからです。


上述の通り、英検の結果が出たことによって、リスニング対策に力を入れる必要を強く感じました。自分に必要な要素を補う方法として英語の勉強法にシャドーイングを取り入れようとしたのですが、図書館ではシャドーイングができないため家で勉強することになり、家にいるうちに段々と勉強しなくなってしまったのです。


シャドーイング:お手本の英語音声を聞きながら、それを復唱する練習方法


これじゃいけないと思い、シャドーイングができるに越したことはないのですが、勉強そのものをしなくなることの方が重大だと思ったので、今はまず図書館へ行き、ひとまず今まで通りの勉強は最低限することでなんとか持ち直しました。


正直、ここ最近、自分の中ではいい流れに乗ってきたつもりだっただけに少しショックでした。「図書館に行かないと勉強もろくにできない」という事実に直面し、この先が少し心配にもなりました。


また、勉強をする習慣を作るのに結構苦労したのに対して、勉強しなくなる方には転がり落ちるように転ぶんだなと、宅浪の危険性を痛感しました。


おそらく今回「この報告を書く」ということがなければ1ヶ月単位で勉強しなくなっていたんじゃないかと思います。


なんにせよ、ひとまず理科英語は一区切りついたのと、これからは国語社会の勉強もしていくので、ここで、一度、夏の間の計画を立てたいと思います。

 

夏の計画

 

方針

 

  • 英語:リスニングの対策
  • 数学:7月末を目安に基礎の復習
  • 物理:苦手分野の強化、その後共通テスト対策
  • 化学:有機の基礎からの復習
  • 社会:教科書レベルの全体の復習
  • 国語:主に古典の共通テスト対策


勉強日はほとんど変わらず、火曜日~土曜日の5日間、日曜日が休み、月曜日を予備日とする

 

一日の流れ

 

  • 09:00~12:00:【英検】パス単、Z会速読英熟語、英検準一級英作文問題完全制覇
  • 13:00~14:00:【古文・漢文・倫理政経】共通テストの過去問、教科書
  • 14:00~15:00:【物理・化学】良問の風、宇宙一わかりやすい化学(有機編)
  • 15:00~16:00:【数学Ⅲ】黄チャート
  • 16:00~19:00:【数学ⅠA・ⅡB】総合的研究


09:00~10:00リスニングの対策、主にシャドーイングができたらと考えています。6月下半期の反省をふまえ、リスニングの勉強の進捗にかかわらず、10:00に図書館へ行きます。10:15~11:00単語の復習、また単語はある程度覚えられたため並行して熟語の復習を行います。11:00~12:00英作文文法の復習や英文解釈も兼ねます。


【古文・漢文・倫政】日替わりでします。9月以降に、本格的な過去問演習に移れるための下準備7月、8月の間にできればと思っていて、そのために社会教科書の通読古典単語や句法といった基礎に重点を置きます。


【物理・化学】日替わりで、物理は主に苦手分野の復習、化学有機全体の復習をします。


【数学】のメインは、総合的研究を使って、共通テストのための数学ⅠA・ⅡBの勉強をするのですが、数学Ⅲをずっとしないのは危ないので、そろそろ黄チャートを使った復習も並行しようと思っています。ゆくゆくは数学Ⅲ総合的研究を使いたいと考えています。

 

新たに使用する教材

 

  • 岡田 賢三 監修 温井 史朗 著「速読英熟語」Z会(2000)
  • 「高等学校 現代倫理 新訂版 [35 清水 倫理 313] 現代の社会をうごかす思想」清水書院 
  • チャート研究所「チャート式 解法と演習 数学3」数研出版(2018)


(Iくん)

なにが足りないのかを知るためのテスト|4浪目の受験ドキュメンタリー(6)6月上半期

f:id:logicalnotes:20220619122813j:image

英検準一級を受けました

 


大学受験生です。


もともと英語が苦手で、文章量が大幅に増えた共通テストに苦しめられ、2次試験でも英語で点数を落とし、2浪目の受験失敗3浪目の昨年度は、宅浪の厳しさを痛感し、受験を断念。いろいろな悩み葛藤を経験し、再度、大学受験に挑んでいます


この4浪目のテーマは、自分の弱みから逃げないこと。科目で言えば、英語を克服すること。


そんな僕は、今年度、英検準一級に挑戦すると決めました。

 

www.logical-notes.com

 

これまで英検の勉強をしたことがありませんので、すぐに準一級のレベルに達することはないと思いながらも、十分に対策できるわけではないと理解しつつも、春の英検に申し込みました。これは試験慣れの意味が大きいです。昨年度、受験していない僕には、なるべく早く、「しっかりとテストを受ける」という経験をしておく必要があると考えたからです。


そして、先日、英検準一級を受けてきましたので、その振り返りをしたいと思います。

 

英検の感想

 


会場での試験というものが久しぶりだったんですが、不思議と緊張はせず、水準に達しているかはさておき実力は発揮できたと思います。


手応えとしては、【大問2】の空所補充【大問3】の長文読解はとてもできました。


全体の時間配分を、

 

  • 【大問1】語彙問題:15分
  • 【大問2】空所補充:15分
  • 【大問3】長文読解:35分
  • 【大問4】英作文 :25分


と設定して臨みました。


結果として、【大問2】が10分【大問3】が30分で終わり、リーディングに関しては十分準一級に通用すると思いました。4浪目に入って英語に触れる量が増えた分、「英語に慣れた」ことが大きいと思います。


すでに英単語帳3周以上しているのですが、完璧に覚えている、いないに関わらず、長文中の単語初見のものがほとんどなかったということが、読解においては、内容の要点の把握読む速度の向上といった点で重要だったということに気づきました。


次に、英作文ですが、あらかじめ自分の中でテンプレートを考えていったため書き進め方は迷わなかったのですが、自分の主張を英語に変換するところがうまくいかず、指定字数よりも少ない字数しか書けませんでした。


そのため、今後は自分が使える表現を増やしつつ、自分の主張自分が使える英語に変換する必要もあると思いました。ただ、今回は敵いませんでしたが、英作文は出題方法が決められてるのと、明確な問題点がわかった分、次回までには十分対応できるレベルまで対策ができると思っています。


最後に、リスニングなんですが、実力不足をかなり感じました。


なによりも一回で正確に聞き取るのがとても難しいです。事前の勉強でも、同じ内容を繰り返し聞くことでやっとついていける程度だったので、まだ合格の水準に達してないだろうことは覚悟していましたが、自信を持って回答できたものもほとんどなく、かなり焦りました。また、問題と問題の間隔が個人的には短く感じ、選択肢にさっと目を通してある程度内容を理解できるだけの「速読の力」の必要性も感じました。


今後リスニングの勉強時間はかなり意識して確保しようと思います。大学受験をするにあたってもリスニングは必須なので、今年1年の成果全てがリスニングにかかってそうです。

 

6月上半期の勉強

 


英語に関しては、英検の勉強を継続。


7月以降国語、社会の対策が加わるため、それまでに英・数・理の基礎をおさえることを目標にしています。

 

数学

 


再び、大学受験に臨むと決めたのが1月。馴染みのある「黄チャート」のⅠA・ⅡB一通り目を通せたのが4月上半期。それからは、問題演習より解説に重きを置いた教材を使おうと考え、長岡亮介「総合的研究 数学I+A」を使っています。


そして、この6月上半期、やっと総合的研究ⅠA一週目が終了しました!


長岡先生の総合的研究が思ったよりも手強く、予定よりもだいぶ時間がかかってしまいました


4月時点では教科書レベルを軽く洗い直して問題の演習に移ろうと思っており、その教科書の代わりとしての「総合的研究」だったのですが、直近の共通テストを解いてみたところ、「基礎を押さえていないと太刀打ちできない」ことに気づき、問題の演習だけでは補えないことがわかりました。なので、多少時間がかかっても数学ⅡB、Ⅲ総合的研究を使って挫けず食らいついていこうと思っています。

 

理科

 


当初、化学6月末までに理論分野が終わればいいと思っていたのですが、計画よりも早くに終わったので、無機分野に着手しています。教材は、「宇宙一わかりやすい化学 無機編」です。


この調子でいけば、6月末までに、物理(全範囲)化学(理論・無機)復習を終えられそうです。

 

感想

 


多少感情の波はあるものの、最近はひどくはなく、比較的安定して勉強ができていると思います。


計画の狙い通りではあるのですが、得意科目の理科の進捗がスムーズなのが大きいです。「最低限、理科は点数が取れるだろう」という心理的な支えになっており、成績が伸びるまでに時間のかかる数学や英語にしっかりと向き合うだけの余裕につながっていると感じています。


こうして気分が落ち着いているうちに、勉強の習慣後に自信となるような行動を取ることが、この先気分が落ち込んだ時の立て直すきっかけとなると思うので、調子に乗ってサボらず頑張りたいと思います。


(Iくん)

 

足を引っ張るのは他人じゃなく、自分の認知の歪み|4浪目の受験ドキュメンタリー(5)5月下半期

f:id:logicalnotes:20220603131020j:image

立ち直りました!

 


大学受験生です。


5月上旬に気持ちが落ち込み、5月上半期は勉強を進めることができませんでしたが、この下半期はおおむね計画通りに進みました

 

  • 09:00~12:00:英語(英検)
  • 13:00~14:00:物理
  • 14:00~15:00:化学
  • 15:00~17:00:数学

 

英語は、午前中に決まった時間、勉強することができています。


理科は進捗が測りやすいこともあり問題なく進んでいます。なお、化学の教材は、西村能一・酒井俊明「化学頻出!スタンダード問題230選」駿台文庫(2014)を使うようになりました。


数学に関しては、取り組む中で少し早めに数学Ⅲに手をつけたい気持ちが出てきたのと、自分の中で思うように進められない焦りから不安が尽きません。ですが、気持ちに任せても思うように勉強が進まないのは今までの経験からわかっているので、6月からの計画を見直したいと思います。

 

認知の歪みに気づく

 


ゴールデンウィーク中精神的に苦しくなり、勉強から逃げてしまった僕ですが、半月で立て直せたことはよかったと思います。


弱っているときは、周りと比較することが気持ちを滅入らせてしまいます。前回の記事で考察した通り、「人と違うゴールを目指しているのだから、そのプロセスが人と違うのは当たり前だ」という気の持ちようが大切だと思います。このように言語化して考えたことで、現在の自分の状況を受け入れることができ、前向きな気持ちを取り戻せました。

 

www.logical-notes.com

 

また、これとは別に、気持ちを立て直すのに役立ったなと思うものがあります。


メンタルヘルスの取り組みとして読んだ、デビッド・D・バーンズ「いやな気分よ、さようなら」星和書店(2013)という認知行動療法に関する本です。うつ病抑うつ状態正しく認識し、改善する手立てが書かれており、中でも僕にとって大きな発見となったのは「考え方と感情の関係」に関する記述でした。


僕の場合、精神が不安定なときにはマイナス思考に偏り頭の中が不安で埋め尽くされてしまうのですが、この本を読んだことで、感情とは現実での出来事を一度認知し、頭の中で自分なりの解釈をしてから反映されるものだということを学びました。


つまり、


現実での出来事 → 感情


ではなく、


現実での出来事 → 認知 → 感情


だったのです。


ここで大きな問題になるのが、現実では、良いこと悪いこともそのどちらでもないことも多々起こるのですが、認知が歪んでいると出来事を正しく認識できず、悪いことばかり起こっているように感じてしまうことです。


認知の歪みの例としては、少しでもミスをすれば完全な失敗と考えてしまう「全か無か思考」や、「こう感じるんだから、それは本当のことだ」のように憂鬱な感情を軸に現実を認識してしまう「感情的決めつけ」などがあり、他にも紹介されているのですが、そのほとんどに心当たりがあり、読んでいてびっくりしました。


僕の場合目的があり、浪人をし、結果として4浪目ですが、「高校卒業して3年も4年も経ってなお、受験をしてるなんてダメなやつだ」とか「今しんどいと感じるのは自分が間違った選択をしたからだ」などと考えてしまっていました。ですが、認知の歪みに気づいてからは、前向きに考えられるようになり、(不安が完全になくなったわけではないですが、)不安に支配されて気力が削がれることだいぶなくなりました


これから先、さらに精神的に落ち込むことがあるかと思いますが、その度に読み返して最後までやり抜きたいと思います。

 

英検への取り組み

 


これまでの受験勉強では、常に英語足枷になっていました。理数系科目とは違い、なにをどのようにどれくらいすればいいのかが見えませんでした。英語をどうにかしないといけないため、この4浪目ではこれまでとは勉強の仕方を大幅に変えています


具体的には、英検準一級への挑戦

 

www.logical-notes.com

 

ずっと苦手としていた科目ですので、「準一級」というのは僕にとって尻込みするほどの高い目標です。しかしながら、英検対策の教材はたくさん市販されていますし、どのように取り組めばいいのかが見えやすく、また、大学受験で困ることのないレベルを目標にすることで確実に前に進んでいるという実感を得られると思いました。


英検の一次試験は大きく分けて

 

  • 語彙問題
  • 読解問題
  • 英作文
  • リスニング


の4つで構成されています。


まずは、単語帳と並行して全体を通して対策できる「英検準一級集中ゼミ」という教材に取り組みました。


過去問題集と違い、大問ごと出題のされ方傾向の分析と解説がついており、初めて英検に触れるにもかかわらず、「どの分野から手をつけ始めればいいかがわからない」と悩まずに済みました


全体に目を通して思ったことは、

 

  • 語彙問題は際限がなく、個別で対策するより過去問を解く中で対策をした方が良いこと
  • 単語帳を2周ほどした時点で、読解問題がある程度解けるようになっていたこと
  • 英検では英作文は決まった型で出題されること
  • リスニングは聴き取れなくはないが、問題のスピードで聴きながら理解するのは現時点では難しいこと


です。


その中でも、英作文は配点が大きいにもかかわらず、手も足も出ませんでした。


要因を考えたところ、構文やフレーズなどの知識が極端に少ないことだと感じました。そのため、「英検準一級英作文問題完全制覇」という教材も追加し、英作文で問われやすいトピックに関する知識もつけながら、英作文で使える表現を増やしています。


英検の本番までは、午前中の英語の勉強を次のように分けました。

 

  • 09:00~10:00:単語+文法の復習
  • 10:00~12:00:読解問題、英作文、リスニングのうち2項目を約1時間ずつ(読解と英作文の日、英作文とリスニングの日、リスニングと読解の日のように設定)


英作文をするにあたって必要最低限の文法の復習をし、読解やリスニングもまだ水準まで達していないため、日替わりで対策をしました。


試験本番でどれだけ通用するかはわからないものの、現状の力を測ることを目的に取り組んだ5月下半期でした。


(Iくん)

 

周りと比べてしまうデメリットを言葉にする|4浪目の受験ドキュメンタリー(4)5月上半期

f:id:logicalnotes:20220522123928j:image

連休でペースが崩れました

 


こんにちは。大学受験生です。


5月上半期の勉強レポートを公開する予定でしたが、今回はほとんど計画通りに進められませんでした。予定を何日か入れいていたこともあり想定はしていたのですが、二週目気持ち的に一杯一杯になってしまい、勉強が進められませんでした。


ゴールデンウィークということもあり、家族との時間が増えたことが要因かと思っています。受験や進路のことで精神的に疲弊している身としては、辛いものがありました。どこか自暴自棄な気持ちになり、勉強から逃げてしまいました

 

今後のために考察

 


上記の報告を吉崎先生にしたところ、「これから先、同じようなことは必ずあるから、どうしたらいいのか、どのような気の持ちようでいればいいのか、考えて言葉にしろ」的なことを言われました。


そこで、僕なりに考察しましたので、これを5月上半期の勉強成果にしたいと思います。

 

周りと比べてしまう

 


世間がうわついたムードの中で自分は頑張らないといけない場合に、気が滅入ってしまう大きな要因周りと自分を比べてしまうことがあると思います。


かつて世界一幸福な国と言われていたブータンが、現在ではインターネットの普及により幸福度が下がってしまった話や、InstagramTwitterなどのSNSが原因となってメンタルに支障をきたすSNS疲れなどは、他者と自分を比較することによる悪影響わかりやすい例ではないでしょうか。特にSNSでは充実した瞬間を切り取って発信されるために、自身とのギャップをなおさら感じやすいと思います。


それと同じようなことゴールデンウィーク中の浪人生などにも当てはまると思います。ですので、最善周りと比較するのをやめることだとは思うのですが、簡単にできることではありません

 

「自分」のゴールを忘れない

 


そこで僕の行き着いた考え「人と違うゴールを目指してるんだから、道中、人と違うのは当たり前じゃない?」でした。


事実として僕は今4浪していますが、もともとは僕の中で目指していたものがあり、そこに届くため浪人を選択しました。当時の僕では自分の目指すゴールに届かなかったため、浪人が必要だったわけです。現在の僕まだ僕の目指すゴールには届かないため、届くためには今年の浪人必要なものです。


このような考えの中では、自分の現在地自分の目指すゴールしか必要じゃないため、周りの人などが介入する余地がなく自身の取り組むべき問題に集中することができます。


また、この考えができるようになってから、周りに流されてではなく、自分で考えて選択した事に関しては、周りと比較するしないではなく、そもそも比較できないものであると理解しました。


これからも、周りと比べて気持ちを落としそうになるたびに、自分にとって重要なものは何か自分の目指しているものは何か思い出したいと思います。

 


(Iくん)

 

計画+実行+振り返り+記録→前に進む原動力!|4浪目の受験ドキュメンタリー(3)4月下半期

f:id:logicalnotes:20220508164732j:image


大学受験生です。


一度は勉強から離れてしまった僕ですが、高校を卒業して4年目の今年、受験勉強を再開し、この場をお借りして、その記録を公開しています。

 

www.logical-notes.com


今回は、2022年4月下半期のレポートです。

 

当面の方針

 

  • 英語5月末の英検へ向けての対策
  • 数学7月末まで、ⅠAⅡBの教科書レベルからの基礎固め
  • 理科6月末まで、物理は全範囲化学は理論分野の復習


7月以降国語、社会の対策が加わるため、それまでに主要科目の基礎をおさえる予定です。受験は長期戦なので、無理をしすぎないように、火曜日~土曜日を勉強日と定め、日曜日を予備日月曜日を休息日にしています。

 

計画

 

  • 09:00~12:00:英語
  • 13:00~14:00:物理
  • 14:00~15:00:化学
  • 15:00~17:00:数学

 

教材

 


現時点で、僕が使っている教材は次の通りです。教材を選んだ理由も記します。

 

【英語】

 


当面は、英検対策を軸に英語の勉強を進めていきますので、それ用の教材を使っています。


・旺文社「英検準1級 でる順パス単 5訂版」(2021)


試験の水準に合った単語力が必要なので、目標とする英検準1級向けの単語帳を使っています。「1番売れ筋=多くの受験者が使用する」と考え、周りと同じものを使うことが個人の才による影響が少なく多くの人間が成功する方法だと思って選びました。


・旺文社「DAILY25日間 英検準1級 集中ゼミ 新試験対応版」(2017)


英検の全容がつかめていなかったため、いきなり過去問に取り組むのではなく、英検の形式について解説しながら演習を含んでいるものを選びました。


・ジャパンタイムズ、ロゴポート「最短合格! 英検準1級 英作文問題完全制覇」(2017)


英作文の鍵になるのは「使い回しのできる便利なフレーズをいくつ知っているか」「自分なりの書き方のテンプレートを持っているか」あたりかなと思ったので、その2点がおさえられそうなものを選びました。

 

【理科】

 


元々、理科得意科目・得点源にしていましたので、現時点から、なにか新しいことをするのではなく、復習メインで進めていこうと思います。僕の場合、受験勉強から離れていた期間がありますので、そのブランクを埋めるのが当面の課題です。


・浜島清利「良問の風 物理頻出・標準入試問題集 改訂版」河合出版(2013)


理科に関しては、演習の中でアウトプットするのが1番効果的だと学んできました。難問奇問がなく使いやすいこの問題集を、復習も兼ねて継続します。


・船登惟希(著)、水谷さるころ(イラスト)「宇宙一わかりやすい高校化学(理論化学)改訂版」学研プラス(2016)


化学は、物理に比べ、学習範囲を広く知ってれば解けるような問題も多い印象だったので、全体をサクッと復習したいなと思って選びました。

 

【数学】

 


・長岡亮介「総合的研究 数学I+A(高校総合的研究)」旺文社(2012)


数学得意科目だったのですが、センター試験から共通テストに変わり、より教科書に立ち返った理解が必要だと感じます。すでに「黄チャート」の復習を終えていますので、現時点では、問題演習より解説に重きをおいた教材を使おうと考えました。

 

実行

 


図書館が開く9時から勉強を始めると決めたものの、4月上半期は、図書館に着くのが9時20分頃になってしまっていました。

 

www.logical-notes.com


しかしながら、この4月下半期では、ほとんどの日において9:05頃に勉強を始められました。この「4浪目」は計画通りに行動するトレーニングでもありますので、僕にとっては大きな前進です。


図書館に着いてすぐは勉強へのスイッチ入り切っていないので、まずは自分の中で取り組むハードルの低いリスニング対策をしてきました。英単語帳各単語例文とその音源がついてるので、英単語の復習も兼ねて1時間ほど。


その後、2時間ほど、「英検集中ゼミ」を解き進めていきました。「英検集中ゼミ」は過去問をベースに英検の語句、読解、英作文、リスニング問題を全体的に対策する教材なのですが、解き進める中で英作文が苦手だとわかりました。


与えられた問題や論点について、自分の意見をまとめるところまでは順調に進めることができたのですが、それだけでは満足のいく英作文仕上げることができません

 

  • 導入やまとめの英語を使っての書き方
  • 同じ言い回しを何度も使用してしまう表現の幅の狭さ
  • to不定詞など、自分の書く英語が文法的に正しいのか


こういった読解では気にならなかった問題点が複数見つかりました。


そのため、まずは英作文を書く練習をするためにも、自分の中で決まった形を作ることが先決だと考えました。表現のバリエーション疑わしい文法的な知識練習の際に改善していこうと思います。


実のところ、英作文には苦手意識があり、受験勉強をするうえで常に逃げ続けていました向き合うにはいい機会だと思いますので、英作文については別途対策をしていきます。


理科に関しては1日あたり物理「良問の風」を3問化学「宇宙一わかりやすい化学」を一単元進めました。もともと理科は得意だったため問題なく順調に計画通り進められました。


数学「総合的研究」を1日30ページを目安に進めているのですが概ね計画通りに進められました。

 

4月下半期の結果

 

  • 英単語:1200単語
  • 物理:良問の風 27問
  • 化学:理論 11単元
  • 数学:200ページ

 

感想

 


前回が全くと言っていいほど思い通りに勉強が進められなかったこともあり、今回は全体としてほとんど計画通りに進められたことがとても嬉しく、少し達成感も覚えています。


今までの僕は、自分の自信の無さ焦りから「1週間でこの問題集を終わらせる」など頭でっかちな計画をたて、上手くいきそうになくなるすぐに投げ出すことの連続でした。しかし、思い返してみるとその方法でうまくいった試しがなくテスト前日に一夜漬け夏休み最終日に徹夜で仕上げるなどの学生時代の愚行の延長を、多浪してなお繰り返していたんだなと気がつきました。


正直、今僕が立てて実行している計画は達成するのが難しい計画ではないと思います。ですが、そんな計画でも進めていくうちに自信になり、計画を達成した後のポジティブなイメージをすることができるようになり、少しではありますが、勉強に対し、意欲的になるのを実感しました。


実は、今の僕にとってこの「勉強に対し、少しではあれど意欲的になれた」ことがなにより大きな成果でした。というのも、今年一年受験勉強をするにあたって精神的な不安定さ1番の課題になると思うからです。


人と違う道を選択している以上、不安はつきまとうものだと思います。その不安を払拭するのはあくまで日々の行動であり、その日々の行動に集中するための計画なのだと、思いつき一時の気分の高鳴りではない、本当の「計画」の意味がわかったような経験でした。


(Iくん)

 

努力を可視化し、自分を応援する|4浪目の受験ドキュメンタリー(2)~4月上半期

f:id:logicalnotes:20220421172947j:image


4浪目大学受験生Iです。


僕は、高校卒業後、2年間は塾に通い、3年目の昨年度は「宅浪」し、結果としては「受験せず」に至りました。いろいろ悩み、落ち込み、どうしようもない不安感を覚えながらも、再度、大学受験に挑むことになりました。

 

www.logical-notes.com


前回の記事でもお伝えした通り、これから僕の4浪目の、2022年の受験勉強記録を随時公開します。


今回は「4月上半期まで」にやってきたことをまとめますが、その前に、「なぜ、受験勉強記録を公開するのか」について書きたいと思います。

 

自分のために

 


昨年度の「宅浪」生活の中で、僕は、生活等のペースをつくることができず、徐々に勉強から離れていってしまい、まったく勉強しなくなり、果ては申し込んでいた共通テストすら受けずに終わりました。


「宅浪」のしんどさ要因はたくさんあります。


まず、自分が前に進んでいるのかが見えにくいこと。


ロジカルノーツ管理者の吉崎先生に相談した結果、「記録を残したらいいんじゃないか」という話になりました。


ひとり勉強をすると、どうしても深く落ち込むことがある。そのときは「できてないこと・やってないこと」にばかり目がいきがちで、その自責の念が自分を苦しめ、勉強に手がつかなくなる・・・この負の連鎖をどうにかするために、「やってきたこと」記録しよう。それが、受験に対する不安が最高潮に達する数ヶ月後、思いっきりへこんだ自分にとってのエールになるはずだ。


こういった理由から、勉強スケジュールの中に「振り返り&記録」の時間を組み込むことになりました。


また、「宅浪」には、強制されたスケジュールがありません。勉強計画を立てても、自分ひとりでそれを守ることはとても難しいです。


そこで、定期的に吉崎先生に学習記録を報告しようと思ったのですが、「それだけじゃ、強制力ないよね」ということになり、「継続する」ことを目的に、この「4浪目の受験ドキュメンタリー」シリーズをはじめることになりました。

 

誰かのために

 


「4浪目の受験ドキュメンタリー」をはじめると決まって、吉崎先生からは次のようなことを言われました。


「公開した記事を読んでくれる人がいる。その人も君みたいに悩んでる人かもしれない。それは今年なのか、来年なのか、ずっと先のことなのかはわからないけれど、そういう人が指針にしたり、支えにしたりする可能性もあるわけだから、途中で投げ出さずに続けてね」


僕自身、これまでに受験生の勉強記録をいろいろとネット検索してきました。


どんな時期なにをしてきたのか。


どのような悩みを抱えているのか。


そういった情報が助けになることを実感しています。僕の記録がそうなれるかはわかりませんが、「誰かのためになる」という意識ももって取り組んでいきたいと思います。

 

1・2・3月

 

理数系科目

 


吉崎先生に連絡をとったのが1月。それから、以前使っていた教材を引っ張り出して、主要科目の基礎を洗い直し、それと並行して、英語リスニングの耳慣れに取り組みました。


久しぶりの受験勉強ですので、完璧を目指すのではなく、勉強の習慣や感覚を思い出すことが目的です。


3月末時点で、ざっと確認できた理数系科目は、次の通り。

 

  • 数学:「黄チャート」ⅠA、ⅡBの途中まで
  • 化学:「理論」範囲
  • 物理:「波」まで

 

英語

 


僕にとっての最重要科目「英語」ですが、体系がつかみやすい理数系科目と違って、「なにをすればいいのか」という問題がありました。


また、一昨年(2浪目)の受験では、読まなければならない英語の量が大幅に増えた共通テストで苦い思いをし、「ずっと使ってきた教材をもう一度やってみるだけでいいのか」という不安もあります。

 

www.logical-notes.com

 

なにか違うアプローチがないかと思い、相談した結果、「英検準一級」を目標に進めることにしました。


その理由は、次の3つです。

 

  • 英検準一級取得者は大学入試の英語で困ってない
  • 英語4技能を高めることは、将来の役に立つ
  • 試験から離れてるので、テスト慣れしておきたい


僕にとっては高いハードルですが、苦手なもの向き合い、いろんな意味で成長するために挑戦したいと思います。

 

4月上半期

 

方針

 


昨年度の「宅浪」生活でのダメージがあり、無理な計画を立てるべきではないと判断し、4月上半期の方針を次のようにしました。

 

  • 英語:5月末に控えた英検準一級へ向けた勉強
  • 数学、理科:基礎からの復習


また、「自宅で勉強するのは避けたほうがいい」というアドバイスをもらいましたので、自習利用可の図書館で勉強することにしました。なので、開館日等に合わせたスケジュールを立て、火曜~土曜を勉強日日曜を予備日月曜を休息日と設定。


まだ勉強慣れの段階ということもあり、一日中ずっと勉強に集中できるとは限りません。そこで、苦手科目の英語には必ず触れるようにするため、午前中は「英語」午後は「他科目」とし、心と体の状態によって、その都度、午後の使い方を決めることにしました。

 

計画・実行・結果

 

計画

 

  • 09:00~12:00:英検の勉強
  • 12:00~13:00:昼食、散歩
  • 13:00~17:00:他の教科

 

実行

 


上のような計画を立てていましたが、実際にはなかなか守ることができませんでした。


まず、開始時刻が9時20分頃になってしまうことが多く、次のような感じになりました。

 

  • 09:20~12:30:英単語帳を使い、単語力とリスニング力の強化
  • 12:30~13:30:持参した昼食を食べ、その後、周辺を散歩


次に、午後は、13時半から「黄チャート」ⅡBの残りを解いていたのですが、勉強を終える時間日によってまちまちでした。17時半頃まで勉強する日もあれば、早ければ14時半に帰宅し、家で続きをする日もあれば15時頃には勉強をやめる日もありました。


この2週間では、英語、数学以外の教科に手をつけることができませんでした。

 

結果

 


4月上半期までにできた結果は、次の通り。

 

  • 英語:単語は自分の納得できるところまで終了
  • 数学:「黄チャート」ⅠA、ⅡBは終了


勉強をやめる時間が不定だったので、「午後」にまわしていた科目十分にできたわけではありません。自分の状態を楽観視せず、苦手な英語を「午前」に設定したのはよい判断だったと思います。


得意科目だった数学に関し、ⅠAとⅡBに一通り目を通せたのはよかったです。3分の2くらいは「できる」と思え、「できないもの」や「理解が不確かなもの」3分の1くらい、という現状把握できました。

 

感想

 


この2週間の、計画通りに運べなかった自分の行いと成果を文字に起こし改めて読み返すと、自分の行動の無責任さに自身でがっかりすると同時に、罪悪感恥ずかしさを覚えます。


今回のような結果となった原因は、計画が大雑把なことによりその日の気分に左右されることにあるのではないかと考えます。


計画が大雑把になりがち原因としては、焦りや自信の無さからすぐに結果が出るような勉強をしようとしてしまうことにあると思いました。また、心当たりはあるのですが、日毎一日の中でも高揚感憂鬱感が繰り返し、そのことがさらに無計画さに拍車をかけているのではないかと考えます。それらに対処するため、読書も兼ねて認知行動療法の本を現在読み進めており、勉強と並行して無計画性を改善していきたいと思っています。


また今回報告をまとめるにあたって、自分の行動を振り返ったこと自身を省みるきっかけになったので、週に一度、日曜日に振り返りは取り入れようと思います。


(Iくん)

 

かつて「宅浪」の辛さから受験を諦めた僕の再挑戦|4浪目の受験ドキュメンタリー(1)

f:id:logicalnotes:20220419194542j:image

ご挨拶と自己紹介

 


はじめまして。

 


大学受験生と申します。4浪目です。

 


僕は、高校を卒業した後2年ほど塾で受験勉強に専念してきたのですが、なかなか結果に結びつかず、昨年度は心機一転、いわゆる「宅浪」というかたちを選びました。

 


そう決めたとき、塾の先生方猛反対。それでも、成績自体は「あともう少し」という感じでしたし、いろいろな事情もあって「宅浪」にしました。

 

「宅浪」の厳しさを痛感

 


夏まで勉強できてたと思います。ですが、その後、生活等のペースもつかめず、また、受験のプレッシャーをひとりで抱え込むことになり、心はどんどん勉強から離れていってしまいました

 


「ひとりで受験勉強をし続けるのは、めちゃくちゃ厳しい」

 


夏の終わりには、先生方の言葉の意味を、完全に理解しました。見通しが甘かったと痛感しました。その時点で、僕は、完全に勉強しなくなっていましたし、精神的にも不安定になっていたのです。

 


その結果、僕は、昨年度の受験をしていません。申し込んでいた共通テストも受けませんでした

 

不安でいっぱいの日々

 


3浪目を無駄にしてしまった。2浪目までに覚えてきたこと身につけてきたこと忘れてしまった

 


「これから先、どうすればよいのだろうか」と悩む日々。不安で不安で仕方ない状態でした。

 


高校卒業後、浪人生活を送ってきましたので、なにか技術を身につけたわけではありません。手に職がなく、職歴もない僕にとって、もう一度、受験勉強を頑張るのが最善の方法だと考えました。将来のために

 


とはいえ、次は4浪目。大学に入ったとしても就職できるのか。

 


こう思うと、なかなか最後の一歩を踏みだすことができませんでした。

 


わがままだと思います。この歳で「受験」を選択できる自分の状況が、とても恵まれたものだということも理解しています。それでも、僕にとっては、精神が追いつめられるくらいには、どうしようもない悩みでした。

 


人生どうなるんだろう、と。少なくとも高校卒業後2年以上は僕なりに頑張ってきたのに、社会に居場所がないのか、と。

 

相談と回答

 


そのようなとき、僕は、このロジカルノーツを管理している吉崎先生に連絡をとりました。以前に通っていた塾の先生の知り合いで、現代文のアドバイスをもらったこともあります。社会人も教えている人なので、人生の選択肢について、僕の知る限り、いちばん詳しそうだったからです。

 


いろいろ相談しました。お忙しい中、2時間くらい電話で話を聞いてもらいました。

 


特に、「4浪目」ということが不利にならないか。働けるのか。

 


先生の答えは、要約すると「有利にはならん、不利になるかは本人しだい」ということ。

 


表現だけを見ると厳しく感じられますが、当時の僕は、非常に視野が狭くなっており、将来が閉ざされたわけではないということに安心感を覚えました。

 


あと1年、頑張ってみようと思いました。この4浪目の時間を、僕の将来に生かせるように頑張ります。

 

弱さと向き合う強さ

 


もう1年やってみると決めましたが、僕の状況的に、予備校に通うことはできません。「宅浪」ということに変わりはなく、その点では不安が残ります。

 


そこで、吉崎先生に「どのように勉強をすればよいのか」という相談をしました。得意だった理数系科目にもブランクがありますし、計画を立てることが鍵になると感じたからです。

 


2浪目時点での共通テストの結果大学に開示してもらった成績を伝えました。すると、「どう考えても、英語だよね」の一言。「得意科目を全盛期に戻したとしても、英語が変わらなかったら一緒じゃない」とも。

 


「やるなら英語と向き合いなよ、将来を考えても英語できたほうが得だし」

 


その通りです。数字で考えても、僕の実感からしても、英語をどうにかしないといけないのはわかっています。でも、苦手だから逃げたくなり、得意なもの、好きなものに走ってしまいます。

 


今年のテーマは決まりました。英語も含め、「自分の弱みから逃げない」ということ。

 

リアルタイムな受験記録

 


しかしながら、僕には、まだまだ未熟な面もあり、助けが必要です。

 


そこで、このロジカルノーツの場をお借りして、「できたこと/できなかったこと」を記録することになりました。元々、愛読していたサイトなので、この場を汚したくありません。もう「引くに引けない状況」です。

 


結果がどうあれ、僕は、今年最後の受験にします。悔いなく終えるために頑張っていきます。

 


(Iくん)

 

【LESSON 03】「意見」の言葉 - ほんの少し先の未来を見る「先読みリーディング」の技術

f:id:logicalnotes:20210811143602j:image

【例文3】

 


 評判のラーメン店では、開店前から長い行列が発生することも多い。私の知る限り、その店舗の私有地ではなく、公共の道に列をなす。これが常態化している場合、ベビーカーや車椅子を使用する者にとって、その道は存在しないに等しい。


 このような事態は地域住民の暮らしに悪影響を及ぼすのであるから、厳しく取り締まるべきだ。

 

第1段落の分析

 


第2段落「…べきだ」とありますので、【例文3】「意見」を述べたものだと位置づけられます。また、「厳しく取り締まる」ことを主張していますので、「意見」の中でも「解決・改善に関する意見」にあたります。


ある程度、読み慣れた人であれば、第1段落を読んだ時点「解決・改善に関する『意見』が述べられるのだろうな」という予想がつくのではないでしょうか。

 

www.logical-notes.com


まずは、第1段落「先読みリーディング」の発想で読んでいきます。

 

第1文

 


「評判のラーメン店では、開店前から長い行列が発生することも多い。」


これは状況説明の文であり、「事実」を伝えたものです。これを読んだ時点では、「そうだよねー」くらいのことを思うだけで十分です。

 

第2文

 


「私の知る限り、その店舗の私有地ではなく、公共の道に列をなす。」


「私の知る限り」とありますので、「『私』の視点からの記述である」ことが明示されています。これを読んだ時点で、「もしかしたら『私』の意見が続くのではないだろうか」と思いたいところです。


「私の知る限り」「その店舗の私有地ではなく、公共の道に列をなす」と続きます。


「公共」の話をしていることに着目しましょう。店舗の私有地で並んでいるならば問題ありませんが、「公共の道」は、言わば「みんなの道」です。ラーメン店に用がないにとって、そこに発生した「長い行列」は、移動の妨げになります。


「ここに『私』の問題意識が示されている」と考えることができれば、「この問題に関する『私』の意見が続くだろう」予想しやすいでしょう。

 

第3文

 


「これが常態化している場合、ベビーカーや車椅子を使用する者にとって、その道は存在しないに等しい。」


文末「存在しないに等しい」という言葉。「存在しない」という「事実」を伝えたものではありません「実際は『道』が存在しているけれども、存在していないのと同じ状態だと思う」といったことを伝えたものであり、これは「私」による「評価」です。


【例文3】の場合、ベビーカーや車椅子を使用する人が困るという話ですので、「マイナス評価」を下している状態です。

 

第1段落のまとめ

 


第1段落の流れを確認してみましょう。

 

  • 第1文:状況の説明(どのような事実があるのか)
  • 第2文:「私」の視点(事実をどのように見ているのか)
  • 第3文:マイナス評価(どのように評価しているのか)


この流れをおさえれば、「よくない状況をどうにかするための、解決・改善に関する『私』の意見が続く」予想できるでしょう。少なくとも、その可能性はあると認識した状態で読み進めることができると思います。

 

第2段落

 


第2段落を確認します。


「このような事態は地域住民の暮らしに悪影響を及ぼすのであるから、厳しく取り締まるべきだ。」


最初に「このような事態」とありますね。「事態」という表現は、基本的には「よくないこと」を表現するものですので、第1段落のような状況についてのマイナス評価再確認しています。


その上で、「厳しく取り締まる」という「解決・改善の意見」が述べられています。


そろそろ本題に入りましょう。【例文3】の後には、どのような話が続きそうでしょうか?

 

主張には、それをサポートする情報があるはず

 


結論を言うと、なにかしら「意見の言葉」に接した時点で、「『理由』や『例』が示されるだろう」と予想したいところです。


「○○すべきだ」といったことを言うだけでは、なかなか他者に伝わりません


「理由」や「例」を示すことで、考え方等の異なる相手「そうだよねー」共感してもらえる可能性が高まります。そんなひと手間をかけて文章が作られている、そう信じて読み進めましょう。


もし「理由」や「例」が示されないまま終わったとしたとしても、「この意見には理由や例がなかったな…」という感想を抱けますし、それはそれで重要な読解だと思います。

 

どんな「理由」や「例」が続く?

 


では、【例文3】の後、どのような「理由」「例」が示されそうでしょうか?


「厳しく取り締まるべきだ」とする【例文3】の場合、「理由」としては、大きく次の2パターンが考えられます。

 

  1. (ⅰ)「取り締まるべきでない」という立場に向けたメッセージ
  2. (ⅱ)「厳しくなくてもよい」という立場に向けたメッセージ

 

(ⅰ)「取り締まるべきでない」という立場に向けたメッセージ

 


「取り締まる」ということは、(店舗やその顧客以外の)第三者から「並ぶな」と口出しするということ。行政による介入をイメージするとわかりやすいでしょう。


【例文3】「厳しく取り締まるべきだ」という意見に対しては、「ラーメン店の行列に関して第三者がとやかく言うべきでない」という反論も想定されます。「公共の道を使用する権利はラーメンを食べたい人にもある」「近隣住民からの評判が下がるのを避けようとして店舗側が整理券配布等の対策をとるのを待てばよい」などが論拠でしょうか。


(ⅰ)は、こういった「取り締まること自体を否定する立場」に向けたメッセージです。「公共の道」のあり方等を論ずる流れが想定されます。

 

(ⅱ)「厳しくなくてもよい」という立場に向けたメッセージ

 


「厳しく取り締まるべきだ」という言葉に接しても「だから、なに?」となります。具体的内容が示されていなければ「なにを言いたいのか」が伝わりませんし、「どういう意味で『厳しく取り締まる』という言葉を使っているのか」がわかりません。


そのため、「【例文3】の後には『例』が示されるのではないか」という予想もできます。


そして、その具体例の内容に対しては「そこまで厳しくしなくてもいいんじゃないの?」という反論も想定されますので、「厳しくすべき理由」が示されそうです。


「厳しく規制しないと問題は解決しない」「(類似ケースに対する規制を示した上で)同様の厳格さをもって対処すべき」などの話がくると予想できます。

 

前回のレッスンでも思ったんですけど、場合分けが多いですね。

「先読みリーディング」は不確定なものを推察しますので、場合分けの発想はとても重要です。慣れるとそんなに大変なことではありませんので、頑張っていきましょう。

 

当ブログではGoogle Analyticsを利用して、アクセス解析を行うためにcookieを使用しております。Google Analyticsで集計したデータは、当ブログのアクセス解析や改良、改善のために使用させていただくものとします。なお、cookieは個人を特定する情報を含まずに集計しております。Googleによるデータの使用に関しては「ポリシーと規約」をご覧ください。