ロジカルノーツ

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4技能テストの受け方(1)Reading

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「紙」だけではない


4技能テストにもさまざまな実施方法があります。その内容によって、実力を発揮できる程度も違ってきます。


4技能テストの中で慣れている人が最も多いと思われるリーディングテスト。文字情報の受信力が試されるわけですが、どのように文字情報が与えられるのかによって、受験生のパフォーマンスに違いが現れます。紙に印字された文字情報を読むテストだけでなく、近年はコンピュータ・スクリーン上に表示された文字情報を読むテストも多く実施されています。

 


アメリカの教育機関であるETSが作成しているテストにTOEICとTOEFL iBTがあります。前者はビジネスパーソンが扱う英語を題材に、一方で、後者は主にアメリカに大学生として留学する学生をターゲットとして作成されています。


現行のTOEICはReadingとListeningに関してはペーパーベースのテストを課しており、紙面に表示されたEメールや広告などを読み取ります。一方、TOEFL iBTは全てコンピュータ上で行われる試験ですから、Readingについてもスクリーン上に映し出されたテキストを読んで問題を解いていくことになります。


このように同じ教育機関が作るテストでも、その目的やターゲットとなる受検者によってテスト形式が異なっています

 

考察


このような話を聞いたことはありませんか?

 

  • 本棚がいっぱいになったので電子書籍に切り替えたら楽しめなくなった
  • メールで送られた文章をPCで見ても頭に入らないから毎回印刷している


コンピュータ・スクリーン上に表示された文字情報をスラスラと認識できる人もいますが、「読みにくい」と感じる人は少なくありません。4技能テストにもいろいろなものがありますので、「自分の傾向」を知っておくことは重要だと思います。


この点については「慣れ」の問題であることも多いでしょう。特に、「画面をスクロールしながら読む」という作業はこの要素が強いように感じます。マウス操作に慣れていないと、必要以上にスクロールしてしまい、読むことに集中できない状態に陥りがちです。


もう1つ重要なポイントを示しましょう。


問題用紙に書かれた文字情報を読むとき、その紙は机の上に置かれている状態であることが多いと思われます。線を引いたり、メモを残したりしながら課題文と向き合うことによって、より深い読解を目指す人も少なくないでしょう。このときの体の姿勢は、参考書や問題集を用いて勉強するときの姿勢と同じです。つまり、受験生にとって「慣れた」姿勢だということです。


他方、コンピュータ・スクリーン上に表示された課題文を読むときの姿勢はどのようなものでしょうか。少し想像してみましょう。PCで文章を読む習慣がなければ、不自然な姿勢でテストを受けることになります。


慣れていることと不慣れなこと。どちらの方が高いパフォーマンスを実現できるのかは説明するまでもないでしょう。

 

戦略的思考


英語4技能テストが導入される大学入試改革。受験生はたくさんの選択肢の中から受験に使う民間テストを選ばなければなりません。

 

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今後の人生に影響を及ぼす可能性のある選択ですので、悔いのない選択をしていただきたいと思います。


①どのようなテストがあるのか

②自分にとって有利なのか否か

③慣れるための準備ができるか


敵を知り(①)、己を知り(②)、その上で何ができるかを考える(③)。これからの受験生にはこのような戦略的思考が特に求められるでしょう。

 

(吉崎崇史・鈴木順一)

 

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