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2020大学入試改革!英語4技能と論理的表現のあり方を考察

「問題解決」の言葉のポイント

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「問題解決」の文脈と表現


「問題解決能力が重要だ」・・・よく聞くこのフレーズ。耳にタコができそうです。そして、至らない我が身を振り返ると、心にグサグサと刺さります。ほんとうんざり・・・冒頭から話が逸れてしまいました。


「問題解決能力が重要だ」と言われても、その能力の具体的な内容は、正直なところ、よくわかりません。問題の性質要求される解決のあり方多様すぎて。問題があったら解決したほうがよいのはわかってるし、どうにかしたい気持ちはあってもそれができないから困っているわけで、そんな中で「問題解決能力が重要だ」とか偉そうに言葉で簡単に言われても「はい、そうですか」って感じだし・・・また逸れました。。


だから、本記事では、問題解決能力そのものの話はしません。以下では、「問題解決」の文脈、表現について述べたいと思います。

 

過去~現在~未来


タイムトラベラーなどの話でない限り、基本的に「原因」は「過去」の事象です。本記事では「時間」に着目し、「問題解決」の話の要素を次のように捉えます。

 

  1. 【問題】解決したい問題は何か:「現在」の話
  2. 【原因】なぜ問題が生じたのか:「過去」の話
  3. 【解決】これからどうするのか:「未来」の話


「『過去』の原因」「『現在』の問題」を招いていると考え、「『未来』の解決」を目指す・・・このような「問題解決」の話が多いのではないでしょうか。


「過去~現在~未来」といった時系列が前提にある文脈ですので、表現的には因果関係の記述が鍵となります。

 

【問題】解決したい問題は何か


「困っているので、解決したい」


この話をするためには、「どのように困っているのか」を明確にしなければなりません。このとき、注意したいのは、「困っている」というのは主観的な評価であるということ。「困ったなあ」と思うポイントは人それぞれです。事実と評価の区別を意識しないと、うまく伝わりません。「解決したい」という願いについても同様です。

 

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考えなければならない点をもう1つ。「『解決する』という人為の話をすべきなのか」という点です。


「そもそも解決すべき問題なのか」という疑問が残る話題もあるでしょうし、「時が解決するしかない」問題もあるでしょう。さらには、「『解決』という結果への到達可能性」も考えないといけません。


「解決したい問題は何か」の話は「問題解決」の話の基礎になります。この基礎をしっかりと固めないと、どんなにカッコいいことを言ったとしても「何がしたいのかがよくわからない」という印象が残ってしまいます。

 

【原因】なぜ問題が生じたのか


先ほど「基本的に『原因』は『過去』の事象」と述べましたが、無数にある「『過去』の事象」の中から「何を選ぶのか」という問題は残ります。


「風が吹けば桶屋が儲かる」のように、「あらゆる『過去』がそれぞれ影響し合って『現在』の状況を生み出している」と考えることもできるでしょうが、原因を特定していないと今後の解決の話にはつながりません。今後の解決の話につながる「意味のある過去」を選ぶ必要があります。

 

  • 風が吹けば桶屋が儲かる:風が吹くと土ぼこりがたつ。それが目に入って盲人が増える。盲人が三味線で生計を立てようとし、三味線の材料になる猫皮の需要が増える。猫が減ると鼠が増え、鼠が桶をかじるから桶屋が儲かる。


ここで参考になるのが、「あれなければこれなし」という条件関係の発想。「その過去の事実がなかったならば現在の問題は生じていない」と言えるかどうかをテストし、「意味のある過去」を選ぶ発想です。

 

  • α」(過去の事実)→「β」(過去の事実)→「γ」(現在の問題)


出来事の流れがこのようなものであったとします。


因果関係「原因あり→結果あり(あれあればこれあり)」のように捉えると、「現在の問題」の前にあった「過去の事実」を挙げれば原因を示したことになりそうです。この発想で考えると、「α」「β」はいずれも「γ(現在の問題)」よりも過去の事実ですので、形式的には「因果関係(あれあればこれあり)」を認めることができるでしょう。


「あらゆる『過去』がそれぞれ影響し合って『現在』の状況を生み出している」という考えも一理あるとは思いますが、先ほども述べました通り、そのように考えても今後につながる話にはなりません。無数にある「過去」の中から、今後につながる「意味のある過去」を選ぶ必要があります。

 

  • 「α」(過去の事実)→「β」(過去の事実)→「γ」(現在の問題)


事実関係がこのようなものであったとして、「仮に『α』がなかった場合に『γ』が生じないと言えるか」を考えます。同様のことを「β」についても考え、次のような推察ができたとします。

 

  1. 仮に「α」がなかったとしても「γ」は発生しただろう:「α」なし→「γ」あり
  2. 仮に「β」がなかったならば「γ」は発生しなかっただろう:「β」なし→「γ」なし


「α」について条件関係(あれなければこれなし)が成立せず、「β」についてはそれが成立しています。「β」の存否が「γ」の存否に影響しますので、「γ(現在の問題)がなくなるという解決」を考える上で意味のある事実は「β」です。


実際には過去の事実が存在しますので、「仮にその事実がなかった場合には~」と考える条件関係(あれなければこれなし)のテストフィクションです。その意味で、無数にある「過去」の事象から選ばれた「意味のある過去」は、人の思考によって生み出されたアイデアだと言えるでしょう。

 

【解決】これからどうするのか


「問題解決」の話の結論にあたる「解決」のパターンを考えます。上述した「意味のある過去」を「A」(問題の原因)とし、解決したい問題を「B」とします。

 

  • 「A」(問題の原因)→「B」(解決したい問題)


以下では、これを前提に「解決」の話を考えますが、あくまで「未来」の話です。「やってみないとわからない」という不確実性は否定できません。そのため、基本的には推察表現を用いることになります。

 

パターン(1)原因の除去


いちばんシンプルな発想は、すでに述べた条件関係(あれなければこれなし)を使う考え方です。

 

  • 「A」(問題の原因)→「B」(解決したい問題)


すでに「【原因】なぜ問題が生じたのか」のところで述べましたように、条件関係(あれなければこれなし)のテストを経たものが「意味のある過去」ですので、「『A』がなければ『B』もない」という関係が成立しているはずです。そのため、「A」を否定する話をすれば、「B」の解決の話になります。

 

  • (例)足の骨が折れているので、歩けなくて困っている

 

この例文では、「『A:足の骨が折れている』→『B:歩けなくて困っている』」という因果関係が示されています。「A:足の骨が折れている」に着目すると、「折れた足の骨を治す」という解決の話を導けます。

 

  1. 足の骨が折れているので、歩けなくて困っている
  2. 折れた足の骨を治せば、歩けるようになるはずだ

 

この「原因の除去」の話においては、「ので(順接)」の前の情報に着目していることを明らかにしないと伝わりにくいです。たとえば、「手と足の骨が折れていて、かつ、歩けなくて困っている人」に対し、単に「骨折の治療をすればよい」と述べても、「えっ、歩けるようになるために手も治す必要があるの?」という疑問が起こり得ます。「原因に着目していることを明らかにするための情報」を示すのがポイントです。

 

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パターン(2)因果関係の遮断


常に「原因の除去」の話が有効であるとは限りません。場合によっては、「除去できない原因」もあるでしょう。このような場合に使えるのが、「因果関係の遮断」の話

 

  • 「A」(問題の原因)→「B」(解決したい問題)


「A」(問題の原因)を取り除くことができない場合、「それは仕方ない」と割り切って「要は、Bが生じなくなればいいんでしょ」と考える発想です。「A」から「B」が発生している流れを断ち切る方法。これを考えます。

 

  • (例)スギ花粉が飛散しているので、鼻水が止まらなくて困っている


この例文において、先ほどの「原因の除去」の話をするとどうでしょうか。スギ花粉が飛散しないようにする・・・スケールが大きすぎて「現実的ではない」という印象を受けます。そのため、「スギ花粉が飛散している」というのを前提にして「鼻水を止める」方法を考えたほうがよいでしょう。たとえば、「花粉症の薬を飲む」などでしょうか。


この「因果関係の遮断」の話においては、「花粉症の薬を飲む」のような「因果関係を断ち切るための新情報」を示すことになるでしょう。その意味で、発想力勝負の側面がありますので、日頃からたくさんのアイデアに触れておきたいところです。


「除去できない原因」が前提にある「解決」の話としては、他にも「別の因果の流れを設定してケースを誘導する」方法がありますし、「『現在の問題』を前向きに捉える」方法もあるかもしれません。「原因の除去」の話ができないからといって、「原因が原因だし、どうしようもない・・・」嘆くのはまだ早いということです。


(吉崎崇史)

 

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