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ICU特別入学選考(4)小論文<Aカテゴリー>

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カテゴリー別の書面


ICU特別入学選考には<Aカテゴリー>と<Bカテゴリー>があり、カテゴリー別に提出しなければならない文章があります。

 

  • <Aカテゴリー>:小論文
  • <Bカテゴリー>:自然科学分野の自主研究や理科課題研究の成果の要約


<Bカテゴリー>については研究内容によって論述の流れも異なってきますので、今回の記事では<Aカテゴリー>の小論文課題について述べたいと思います。

 

自己紹介エッセイ


ICU特別入学選考の小論文課題を見てみましょう。


制限字数は1500字です。

 

課題:初対面の人(複数)に、自分の特長を深く、かつ正確に知ってもらおうとする時、あなたは自分の経験を、どのように伝えますか。以下からテーマを一つ選んで書いてください。


選択可能なテーマは次の3つです。

 

  1. あなたに深い感動を与えた人物との出会い
  2. あなたの人生の転機となった経験
  3. あなたの物の見方・考え方に大きな影響を与えた経験

 

「初対面の人(複数)」


自己紹介は「誰に向けたものなのか」が重要です。ICU特別入学選考<Aカテゴリー>の小論文課題では「初対面の人(複数)」に向けた自己紹介が求められています。「初対面の人(複数)」という条件は、「『私』のことを知らない不特定多数の人」と言い換えてよいでしょう。「伝えたい内容」の説明にどのような情報が必要なのか。この見極めが鍵となります。


「『私』のこと」について述べる際に気をつけないといけないのが、「『私』にとっての当たり前は他者に伝わりにくい」ということ。この問題に対処するためには、次の手順が有効です。

 

  1. 下書きを作ってみて「『私』ではない人が書いたものだ」と仮定し、追加すべき情報を考える
  2. 下書きを誰かに渡して全体像を要約してもらい、イメージ通りのものが伝わっているかを確認する


1つ目は「客観的な見方」ができるか否かによってその効果が左右されます。2つ目は「誰に読んでもらうか」が重要です。ICU特別入学選考<Aカテゴリー>の小論文課題では、作成に時間を費やすことができますので、可能な限り、これら2つの手続きを踏んでおきたいところでしょう。

 

「特長」


「特徴」「特長」は意味が違います。前者は「他のものとの違い」を示す情報で、後者は「他のものより優れていること」を示す情報です。ICU特別入学選考<Aカテゴリー>の小論文課題では後者の「特長」を示すことが要求されています。

 

「深く、かつ正確に」


他の人よりも優れているところを「深く、かつ正確に」伝えることが求められています。「深く」とありますので、長所を表面的に示すだけでは足りません。また、特長の伝達が「正確に」できていないといけません。


ICU特別入学選考<Aカテゴリー>の小論文課題では、エピソードを紹介することになりますし、制限字数も1500字ですので、具体的な話をして内容を充実させることが可能です。そのため、「深く、かつ正確に」という条件を満たすだけであればそれほど苦労することはないかと思われます。ただし、「どれくらい『深く、かつ正確に』論述できているか」については表現力による差が生じやすいでしょう。

 

紹介エピソード


ICU特別入学選考<Aカテゴリー>の小論文課題ではエピソードを紹介することが要求されており、先に述べたように選択できるテーマは次の3つです。もう一度、確認してみましょう。

 

  1. あなたに深い感動を与えた人物との出会い
  2. あなたの人生の転機となった経験
  3. あなたの物の見方・考え方に大きな影響を与えた経験


1つ目の「深い感動を与えた人物との出会い」を説明するためには、「どのような感動なのか」「なぜその人物との出会いが感動をもたらしたのか」を述べる必要があります。さらに、「深い感動」の話をしなければなりませんので、「それまでに経験したことがないくらい感動した」のように「感動の深さ」についての記述も欠かせません。この1つ目のテーマを選べる人はそれほど多くはないかと思われます。


2つ目と3つ目のテーマは「変化」の話になります。「変化」の話をするためには、「変化の前後」に関する情報が必要です。


「変化」の話をするための下準備の方法を示します。変化前の状態には「要素aと要素bがあった」とします。そして、変化後には「要素aと要素cになった」としましょう。

 

  • 変化前:aかつb
  • 変化後:aかつc


「○○という経験をした結果、bがcに変わった」という流れをしっかりと説明するためには、原因(○○という経験をした)と結果(bがcに変わった)の関係を細かく述べる必要があります。「順接」関係を何度も示すことによって、因果関係を細かく述べることができるでしょう。


「bがcに変わった」ことによって「a」の意味が変わることも少なくありません。「bとの関係で意味づけられるa」「cとの関係で意味づけられるa」は、厳密には「同一でない」と思われます。「何かが変わることは他のものにも影響を及ぼす」ということです。この点についても言及できれば、読みごたえのある「変化」の話になるのではないでしょうか。

 

(吉崎崇史)

 

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