2018-01-01から1年間の記事一覧
「まとまりのある英文」 京都大学2018(前期)英語【Ⅲ】について、下線部に「どういった日本語を補うか」を前回と前々回の記事では扱いましたが、今回からは全文を英文に直すことについて考えていきます。英語的観点に変わりますが、さまざまなアプローチの…
答は1つでない 2020年度の大学入試改革をどのように捉えるかは人それぞれだと思いますが、ロジカルノーツでは「論理的表現力」がますます重視されるようになる契機だと位置づけています。 www.logical-notes.com 論理的表現力が重視されるということは、どう…
特殊な和文英訳問題 京都大学2018年度(前期)の英語【Ⅲ】では特殊なライティング問題が出ました。この問題で要求される力を考えると、4技能時代の主流となる出題形式かもしれません。まず、問題を見てみましょう。 次の文章を英訳しなさい。途中の下線部に…
カテゴリー別の書面 ICU特別入学選考には<Aカテゴリー>と<Bカテゴリー>があり、カテゴリー別に提出しなければならない文章があります。 <Aカテゴリー>:小論文 <Bカテゴリー>:自然科学分野の自主研究や理科課題研究の成果の要約 <Bカテゴリー>に…
まるで就活! ICU特別入学選考(AO入試)の大きな特徴として挙げられるのが、出願時に提出する「自己活動歴と自己分析」の書面。どのようなものなのかを確認してみましょう。 「自己活動歴と自己分析」 高等学校在学中に、学校の内外で比較的長期(少なくと…
3つの話題 ICU特別入学選考では、Web出願システムに必要事項を入力して印刷する入学願書①のほか、志望動機などのエッセイを記入する入学願書②も提出する必要があります。 入学願書②では次の3つの話題についての記入が求められています。 ICUに入学することを…
ICUのAO入試 大学入試では出願時にエッセイを提出しなければならない場合があります。大学によってその内容はさまざまですが、考えるポイントはある程度共通しています。 www.logical-notes.com 「出願時エッセイがどのようなものなのか」を考察する材料とし…
出願時エッセイ 出願時に提出しなければならない書類にもさまざまなものがあり、その中にエッセイが含まれることも少なくありません。典型例として挙げられるのは「志望動機」と「自己アピール」に関するエッセイです。 www.logical-notes.com www.logical-n…
「会話」か「1人語り」か スピーキングテストを受けた経験のある人は多くないかと思います。ざっくり言えば、次の2つの実施方法があります。 試験官の前で話す方法(「会話」型) 録音機の前で話す方法(「1人語り」型) これまでにリーディングテスト、ライ…
「一斉放送」型か「ヘッドホン・イヤホン」型か 会話などの口頭におけるコミュニケーションの場面では、リスニング力とスピーキング力の両方が要求されます。そのため、熟練した面接官とまとまった時間の会話をするテストがあれば、リスニング力とスピーキン…
手書きかタイピングか 文章を作成する場面を想像してみてください。 ペンを持って字を書いている姿が思い浮かぶでしょうか。それともキーボードを打っている姿でしょうか。最近であればスマートフォンでフリック入力している姿を真っ先にイメージされる方も…
「紙」だけではない 4技能テストにもさまざまな実施方法があります。その内容によって、実力を発揮できる程度も違ってきます。 4技能テストの中で慣れている人が最も多いと思われるリーディングテスト。文字情報の受信力が試されるわけですが、どのように文…
字数調整スキルの重要性 日本語小論文テストや英語ライティングテストにおいて、まず受験生が直面する問題は「字数を増やすこと」でしょう。一般的には、少なくとも制限字数の8割以上を書く必要があると言われています。 また、トレーニングを重ねるにつれて…
出題形式 入試の小論文問題は大きく2つに分類することができます。 資料がない問題 資料がある問題 1つ目の「資料がない問題」の典型は「~について述べなさい」のように指示があるだけの「一行問題」と呼ばれるものです。英語ライティングテストで言えば、I…
言葉というものは、頭の中にある実体のないイメージを他者が認識できるかたちにしたものです。 頭の中にあるイメージは実体がありませんので、それだけではその内容を誰とも共有できません。この状態のままだと、力を合わせて一緒に何かをする場合に支障が生…
前回はどちらかと言えば「量的」観点での議論を紹介しました。今回は「質的」観点で考えてみたいと思います。まずは【「電子書籍の普及」に関するエッセイ(1)】で示した<悪い例>の第4段落を確認してみましょう。 <悪い例>の第4段落 また、電子書籍が普…
立場を明確に区別する ある議題についてA説とB説の2つの立場があったとします。論述の際には、まず、この2つの立場を明確に区別する必要があります。 そして、言及したい情報がいずれの立場にとって有利なものなのかを考えなければなりません。 反対説の論拠…
読み方を1通りにしたい 「A、B。そうすると、C。」の読み方を考えたいと思います。表現形式だけを見ると、次の2パターンの解釈ができます。 ①「A→C」と「B→C」を合わせた表現 ②「A→B→C」の表現 ①と②の違いは「『B』がなくとも『A→C』の関係が成立するか否か…
区別する情報は何か 「電子書籍」に関するエッセイの中で、「紙媒体書籍」を比較対象とした記述があれば伝わりやすくなります。しかしながら、適切な比較対象を示したとしても、それだけで論理的なエッセイを作成できるわけではありません。 前回の記事で示…
今回は「電子書籍の普及」に関するエッセイの例を示します。そして、ロジカルノーツでは、これを「悪い例」として扱います。 電子書籍という「新しい書籍のあり方」が登場し、従来からの紙媒体書籍との競合関係が生じてきています。 「電子書籍の普及」につ…
高校学習指導要領の改定案 大きな社会変革の途上にある現在、数年先の未来ですら予測することが困難な状況にあります。 これからの人たちがどのような教育を受けて社会に出ていけばよいのか。この問題についての1つの答えが、先日、文部科学省から高校学習指…
Integrated Taskとは? TOEFL iBTの特徴として挙げられるのが、ライティングとスピーキングで出題されるIntegrated Task(統合型課題)です。 www.logical-notes.com Independent Task(独立型課題)とは異なり、ただ英語を書いて話すだけではなく、その前段…
TOEFL iBTではIndependent Task(独立型課題)とIntegrated Task(統合型課題)の2つがライティングセクションで出題されます。今回の記事では「独立型課題」について詳しく見ていきます。 Independent Taskとは? Independent Task(独立型課題)では、ある…
TOEFL iBTとは? TOEFLとはTest of English as a Foreign Languageの略称であり、英語を母語としない人々を対象に4技能を測定するテストとしてアメリカのETS(Educational Testing Service)という機関が実施しています。 www.ets.org 主にアメリカやカナダ…
求められる力は同じ 今回の記事では英検で出題されているライティング問題について、さまざまな観点から分析を行ってまいります。 現行の英検では3級、準2級、2級、準1級、1級の5つの級でライティング課題が課されています。リーディングと合わせての制限時…
4技能を問うテスト 2018年3月26日の大学入試センターの発表によると、2020年度から開始する「大学入学共通テスト」と並行して受験生に課されることになる民間の英語資格・認定試験として23の試験が参加要件を満たしていると確認されました。2020年度以降の受…
「統合型問題」とは? 前回は「独立型問題」について説明させていただきました。今回は「統合型問題」について述べさせていただきたいと思います。 「統合型問題」(Integrated Task)は、独立型問題とは対照的に、「他の3技能が統合されている」という意味…
求められるライティング力 現在の大学入試英語で出題されているライティングの問題は与えられた日本語を英語に直す「和文英訳問題」と、与えられたテーマについて自分の意見を述べる「自由英作文問題」の2つが主流となっています。 英検やTOEFL iBT、TEAPな…
「英語4技能を測る試験」 2020年度から開始される「大学入学共通テスト」に関連し、英語ではリーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの4技能を測定する民間の資格・認定試験が国公立大学の入試に用いられることとなりました。この結果、国公立…
例文 「AとB」と「AかB」の違い。これは意図を正確に表現する上で注意すべきポイントです。細かいところなので、例文を用意しました。 ①:リンゴとミカンを買ってきてください。 ②:リンゴかミカンを買ってきてください。 考察 ①の発信者は「リンゴとミカン…