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「志望動機」で伝えるべき情報

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Instagramでも報告させていただいておりましたが、先日、看護系受験専門予備校トライアルゼミとのコラボ企画として「【看護学生限定】就活小論文講座」というイベントを行いました。

 

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その中で履歴書作成のアドバイスを求められることもあり、特に「志望動機」に関してお困りの方が多いという印象を受けました。


志望動機・・・これは就活時だけでなく、受験時においても考えなければなりません。特に、AO入試医学部入試においては、出願時に志望動機書の提出が課せられるケースも少なくありません。出願時に課せられなくとも、進学先での生活を有意義なものにするためには志望動機をしっかりと考えておいたほうがよいでしょう。


以下では、「看護学生の就活」という観点からの志望動機を考えてまいりますが、AO入試医学部入試においても参考になるかと思います。

 

看護師志望理由


看護師になりたい理由を説明するとき、どのような情報を伝えなければならないのでしょうか。説明のために図を用意しました。


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「職業」の中に「医療職」があり、「医療職」の中に「看護師」があります。Aにあたる話は「いろいろある職業の中で医療職に就きたいと思った理由」で、Bにあたる話は「医療職の中でも看護師になりたいと思った理由」です。


看護師になりたい理由を説明するとき、「心身の不調に悩んでいる人を支えたい」といった話に終始すると、「看護師でなくてもいいよね」という冷たい反応が返ってくるかもしれません。「心身の不調に悩んでいる人を支えたい」という話は、A:いろいろある職業の中で医療職に就きたいと思った理由」にあたるからです。


A:「いろいろある職業の中で医療職に就きたいと思った理由」

→「どのようなニーズに応えたいのか」


B:「医療職の中でも看護師になりたいと思った理由」

→「どのような役割を担いたいのか」


看護師志望理由を伝えるときには、上のような発想で示す情報を考えるべきでしょう。


このように、職業選択にかかわる志望動機については「ニーズ」と「役割」を区別して考えるのが有効です。

 

発想の基本は区別の意識


「志望動機」というものは、「私は〇〇になりたい」「私は〇〇を求めている」のように、基本的には「欲する私」についての話になります。


「αを欲している」と伝えるとき、「βやγにはない価値をαに見出している」ということを伝えておきたいところです。

 

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「看護学生の就活」では「どのような看護師になりたいか」「なぜこの病院で働きたいと思ったのか」といった話も準備する必要があります。このときにも「区別の意識」が鍵となります。

 

「どのような看護師になりたいのか」


看護師としてのあり方も多様であることを前提にし、「何を伝えるべきなのか」を考えて言葉にしなければなりません。「どのような場面で何ができる人材でありたいのか」「キャリアデザインに関する希望」を事前にまとめておくと、準備が捗るでしょう。

 

「なぜこの病院で働きたいと思ったのか」


「他の病院でもよいのではないか」という疑問を抱かせないようにするために、病院の特色に触れておきたい問題です。このとき、たった1つの要素で説明するのは難しいケースも少なくありません。「AかつBかつC」のように、複数の要素を示そうと考えて準備するのが現実的でしょう。

 

大学志望動機


「欲する私」についての話である・・・これは大学等の志望動機を考えるときにも念頭に置いておきたいことです。

 

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「大学のポリシーにグッときた」という話だけで構成されているものは、たとえ表現が巧みであったとしても伝わりません。大学のポリシーについての話をするにしても、それが反映されている教育プログラムに言及し、「それによって私の人生にどのような効果があらわれることを期待しているのか」といった話くらいは述べておきたいところです。


受験に限った話ではなく日常生活の中でも、「何を望んでいるのか」が明確でない人を前にしたとき、得体の知れない不安感を覚えることもあるでしょう。「何を望んでいるのか」を明確にすることは、他者との関係を築く上で重要なことです。志望動機書も「他者との関係を築くための言葉」ですので、「自身のニーズの明確化」を意識すべきだと思います。


教育プログラム・出会えるだろう人・立地条件・・・いろいろな観点から「どのような大学生活にしたいのか」を考え、「どのような人でありたいのか」を言葉にすること。大学生活という限られた時間を有意義にするための営みを受験勉強の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

(吉崎崇史)

 

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