ロジカルノーツ

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小論文問題の形式

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出題形式


入試の小論文問題は大きく2つに分類することができます。

 

  1. 資料がない問題
  2. 資料がある問題


1つ目の「資料がない問題」の典型は「~について述べなさい」のように指示があるだけの「一行問題」と呼ばれるものです。英語ライティングテストで言えば、Independent Taskにあたります。

 

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2つ目の「資料がある問題」は英語ライティングテストのIntegrated Taskのようなものです。資料の種類によって2種類に分けることができます。

 

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  • 課題文読解型:課題文(日本語とは限らない)が資料として与えられており、その読解を前提とした出題がなされるタイプ
  • データ分析型:統計データなどの図表が資料として与えられており、その分析を前提とした出題がなされるタイプ


出題形式によって対策の仕方が異なりますので、可能な限り、過去問などを参照して出題傾向を把握したいところです。「敵を知ること」から入試対策を始めるのが効率的でしょう。


入試問題は人が作成するものですので、そこには必ず出題者の意図が存在します。「どのような人材が欲しいのか」という考えのもとに、出題者がその選抜に適した出題形式を採用して問題を作成します。問題を通じて「大学側が求めている人材」がどのようなものであるのかを考え、「私はそれに合致しています」というアピールを効果的に行えるかどうかが重要です。


以下では、上述した出題形式のそれぞれについて「戦い方」のヒントを紹介します。

 

一行問題型


いわゆる「一行問題」は、資料についての考察が不要なので簡単だと思われることも多いのですが、高いレベルの答案を作成することを目的にするならば最も苦労するタイプの問題でもあります。なぜなら、資料が与えられていないということは「ヒントがない」ということでもあるからです。

 

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「ヒントがない」ということは、解答に必要な情報を事前にインプットしなければならないということを意味します。進学後に学ぶための事前準備ができているかどうかが問われるケースも少なくありません。そのため、可能であれば、進学後に学ぶ専門分野の入門書に目を通しておきたいところです。その時間的余裕がない場合には受験する大学の公式サイトに目を通し、その中で「よくわからない言葉」があれば一度調べておくことが望ましいでしょう。


資料の考察力をアピールするチャンスがないため、表現力勝負の側面が強いです。論理的表現の基礎を固める時間が欠かせません。

 

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課題文読解型


「課題文読解型問題」は、解答に必要な資料が「文章」というかたちで与えられるタイプの問題です。全体の要約力はもちろん、論点を発見する力も要求されます。


対策の鍵は論点発見力のトレーニング。「あなたの考えを述べなさい」と指示されているにもかかわらず課題文を言い換えただけの答案を提出してしまう人が多いため、きちんと対策をすればライバルに差をつけやすいでしょう。受験生としては、ある意味、費用対効果の高い出題形式と言えます。


当然、文章を読む力も要求されます。この意味で、現代文(特に評論文)の学習は重要です。このとき、注意しなければならないのは、選択式問題の解答スキルだけでは対応しにくいということ。現代文の勉強と並行して対策をするならば、記述式問題を使いたいところです。選択式問題を用いるとしても「選択肢に頼らずに解く」練習を重ねたいところです。

 

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データ分析型


「データ分析型問題」は、グラフなどの図表が与えられるタイプの問題です。データの使い方としては大きく2つ。

 

  1. 論点の発見・導出
  2. 自分の意見の根拠づけ


明示された数値だけでなく、計算結果を用いる場合もあります。計算といっても簡単な四則演算で対処できる問題が多いです。


これまでの指導経験から言えば、「『割合』を示すべき場面なのか否か」の見極めで苦労する人が多かったです。日常生活の中で数値に出会った際には「『割合』なのか否か」を確認し、その上で、「『割合』で示されている/いない」理由を考えるようにしたいところです。

 

(吉崎崇史)

 

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